「幻のトラピストビール」と呼ばれる,シント・シクスタス(Sint Sixtus)修道院で醸造されているウェストフレテレン(Westvleteren)のボトルには,長年にわたりラベルがありませんでした。

詳しい経緯は「ベルギービール Japan」のサイトに解説されています。

 

【参考】

ベルギービール Japan スタッフブログ(2022.08.12):

https://www.belgianbeer.co.jp/ct/blog/8946/

 

以前のラベルがなかったウェストフレテレンのボトル

(左から順にBlond, 8, 12)

 

新しいラベル付きのウェストフレテレンのボトル

(左から順にBlond, 8, 12)

 

2022年8月13日より,上の写真のようにラベルが貼られるようになりました。

以下,1本ずつの写真です。

 

Westvleteren Blond

 

Westvleteren 8

 

Westvleteren 12

 

筆者は,昨年,ベルギーのネットショップから新しいラベル付きのものを個人輸入しました。

ラベルの変更に伴い,王冠もデザインが若干変更されています。

外見は変わりましたが,味に変わりはありません。

さすがはトラピストビールの老舗です。

 

先日,とうとう還暦の誕生日を迎えました。

一生に二度還暦を迎えることはまずないので,この日を大切にしようと思い,記念に飲むビールを何にしようかとしばらく悩んでいました。

そうしてたどりついた自己満足の結論は Chimay Triple でした。

理由は単純明快で,60 年前に誕生し,今年還暦を迎える同い年のビールだからです。

このことがわかり,筆者は Chimay Triple に対してこれまでにない親近感を抱きました。

なお,Chimay Triple は,白いラベルが貼られており,「シメイ・ホワイト」とも呼ばれていますが,ビア・ジャンルはホワイト・ビールではなく,トラピスト・ブロンドなので,誤解を生じることがないように,本稿では "Chimay Triple" と記すことにします。

Chimay Triple の歴史について,シメイの公式サイト(英語版)から引用します。

 

Chimay Triple dates back to 1966.

But it was launched in 75cl bottle for the 500th anniversary of the principality of Chimay in 1986.

This is why it is also known under the name of “Cinq cents” (meaning 500) in 75cl bottle.

 

【引用】シメイ公式サイト:https://chimay.com/en/beers/chimay-triple/

 

引用したとおり,Chimay Triple は,1966 年に誕生しました。

ただし,750mL の大瓶は,シメイの街の 500 周年を記念して,「サンクサン」という名称で,20 年遅れの 1986 年に誕生しており,大瓶の方はまだ還暦を迎えていません。

ベルギービール Japan のサイトには,もう少し詳しく,「シメイ・ホワイトは、1966年に、テオドール神父が考案したレシピによって誕生した銘柄。」と紹介されており,レシピの考案者である「テオドール神父」の名前が出ています。

 

【引用】ベルギービール Japan:https://www.belgianbeer.co.jp/products/detail.php?product_id=55

 

 

Chimay Triple 330mL ボトル(左)と 同 TAP 250mL(右)

 

この日は,銀座の某フランス料理店での夕食の後に,馴染みの銀座ファボリに行きました。

写真のとおり,まずは Chimay Triple の 330mL ボトルをいただきました。

ホッピーなので IPA を連想しますが,近年流行りの尖った IPA とは指向の違う,60 年継承されてきたトラピスト・ビールらしい安定した味わいです。

銀座ファボリでは,Chimay Triple の TAP が常設されているので,次に TAP を注いでもらいました。

TAP の方は,より新鮮でアロマ・ホップの香りたっぷりです。

ABV 8% の高アルコール・ビールですが,アルコール感が薄れるほどの素晴らしい芳香です。

還暦の誕生日にじっくりと「還暦ビール」を味わい,十分に満足したので,後口に自家製アイスクリームをオーダーしました。

 

 

なんと…末廣画伯お手製の素晴らしいサプライズ・プレートが届きました。

格別なお心遣いに改めて感謝いたします。

食べるのがもったいない一生に一度の最高の一皿でした。

 

ベルギービール醸造所組合から認定されるベルギービール・テイスターを本日更新しました。

100 種ごとに認定を更新し,とうとう 1,000 に到達したので,これで 10 回目の認定となり,「殿堂入り」が確定しました。

「殿堂入り」というのは,筆者が勝手に使っている言葉なのですが,銀座ファボリに飾られている 10 回目認定達成者プレートの並びに,おこがましくも近い将来ご一緒させていただくことになります。

無理な飲酒はしないので,少しずつゆっくりと味わいながら,約 13 年かけての達成でした。

 

本日は,銀座ファボリの 23 周年のお誕生日(開店記念日)で,お店のお祝いをさせていただき,その傍らで 1,000 本目の認証を受けました。

記念すべき(勝手に自己満足で記念していますが)1,000 本目は,予め店長の佐瀬さんにご用意をお願いしていた Chimay Blue Magnum(1.5 L の大瓶)です。

もちろん,9% のストロング・ビール 1.5 L(エタノール換算でアルコール量 108 g,すなわち日本酒 5 合分相当)を一人で平らげることはできませんので,お店の記念日でもあり,皆さんにお分けして乾杯していただきました。

 

 

Chimay Blue Grand Reserve Magnum, Vintage 2024

 

ここに至るまでに,たくさんの発見と出会いと喜びがありました。

関係するすべての方々に心より感謝申し上げます。

 

ここまで,大バッハ作曲の管弦楽組曲を 1 曲ずつ取り上げてきました。

今回は,イタリアの作曲家ジュゼッペ・マルトゥッチ(Giuseppe Martucci, 1856-1909)によるピアノ独奏編曲版を取り上げます。

 

大バッハの真作とされている管弦楽組曲 4 曲(BWV1066-1069)は,マックス・レーガー(Max Reger, 1873-1916)によって 4 手のピアノ連弾用に編曲されており,1911 年頃にペータース出版社(Edition Peters)から出版されています。

レーガー版は,既にいくつかの録音もあり,ピアノ編曲版としてはとりわけ有名ですし,レーガーの理解度が高かったこともあって,編曲の出来栄えもなかなかのものです。

レーガー版の特徴としては,4 曲すべてを編曲しており,4 手用なので最大 20 本もの指を使いうるため,原曲の音符を極力漏らさないように詰め込んでいて,ピアノという楽器を使いつつも,大バッハが書いた楽譜に忠実な編曲を目指していることが挙げられます。

もちろん,20 世紀初頭のことで,しかもピアノを用いたわけですから,当時のピアノが現在のピアノとは造りや響きが異なっているとはいえ,バロック時代との乖離は明白です。

それでも,レーガーが大バッハの楽譜をよく読み込んでいたことは,その編曲版から十分に汲み取ることができます。

 

一方,マルトゥッチ版は,第 4 番を欠いており,第 1 番から第 3 番までの 3 曲だけとなっています。

なぜ第 4 番の編曲がなされなかったのか,筆者にはその理由を調べ上げることはできませんでした。

マルトゥッチ版は,ピアノ独奏用なので,当然ながら 2 本の手,すなわち 10 本の指にゆだねられるわけですから,レーガー版のように原曲の音をひたすら詰め込むという戦略がさすがに成り立ちません。

そのような制約があるがゆえに,マルトゥッチのバッハ解釈が,よりくっきりと浮かび上がっています。

なお,マルトゥッチ版はレーガー版に先行して 1890 年代に作成・出版されており,マルトゥッチがレーガーを模倣したということは考えにくく,マルトゥッチの独創性が高いということも強調しておくべきでしょう。

細かいことまで取り上げると枚挙にいとまがないので,ここでは筆者が特に面白いと思った数点についてだけ述べることにします。

 

マルトゥッチ版は,大バッハゆかりの都市であるライプツィッヒのブライトコプフ出版社(Edition Breitkopf)から 1 曲ずつ出版されています。

出版譜の番号が第 1 番から順に Nr. 3477,Nr. 3478,Nr. 3479 と連番になっているので,編曲時期や完成時期にいくらかのばらつきはあったとしても,連作という認識で間違いないでしょう。

譜面は近代的なピアノ譜の体裁になっており,大バッハのクラヴィーア作品の自筆譜のように各声部が厳密に書き分けられているわけではありません。

そのため,譜面上は各声部の横の流れがわかりづらく,対位法書法による声部の独立性よりも,縦の和声の方が目につく体裁です。

また,ピアノ独奏なので,手が届かない離れた鍵盤の音を鳴らしたい箇所は,譜面上は装飾音として記されていて,サスティン・ペダルを踏んでその装飾音の響きを残しつつわずかな時間差で別な音を鳴らすなど,ピアノらしく広い音域にわたるダイナミックな演奏が要求されています。

 

第 1 番の序曲の冒頭を見てみると,通奏低音に由来する低音部を左手がずっと平行 8 度でたどっていきますが,これについては原曲においてチェロとヴィオローネが平行 8 度で通奏低音を担っているのを模倣していると思えば自然な表現です。

一方,上声部の第 1 ヴァイオリンに由来する声部も,多くの部分において平行 8 度で重ねられています。

これは,実際に聴いてみると,メロディーがとても輝いて前に出てくる効果があり,原曲において第 1 ヴァイオリンとオーボエがユニゾンになっているのとはまた違った趣で,なかなか個性的な編曲です。

 

第 1 番序曲の冒頭部分

低音部が平行 8 度で強調されていますが,高音部でも平行 8 度の箇所が目立っています。

 

フーガに入ると,フーガという性格上もあってか,原曲の対位法が強調され,整然とした 4 声体で書かれています。

指が足りないという事情もあるのでしょうが,通奏低音に由来する低音部は 8 度で重ねずに単音になっており,うるさすぎないように調整されています。

しかし,低音部がずっと単音で構成され続けているわけではなく,その後は 8 度でガンガン鳴らす箇所も出てくるので,曲想によって低音部を書き分けていると思われます。

 

同曲後半フーガの開始部分

ここでは,4 声の対位法としての書法がわかるような記譜法になっています。

 

第 3 曲のガヴォットでは,上 3 声を指が足りる限り右手だけで担い,左手は通奏低音のパートをほとんど平行 8 度で弾き続けます。

これがマルトゥッチの編曲の基本形のようです。

 

第 1 番第 3 曲の第 1 ガヴォット

4 声の対位法ですが,楽譜が和音の羅列として書かれているため,各声部の横の流れはわかりづらくなっています。

 

第 2 番についても,第 1 番と編曲姿勢に大きな変わりはないのですが,終曲バディネリにおいて,やはり通奏低音のパートを執拗に平行 8 度で鳴らしつつ,フラウト・トラヴェルソと弦楽器の上 3 声をほとんど右手だけで弾き続けるという過酷な試練が課されており,まったく躊躇がありません。

もはや笑うしかない芸当であり,まさに「バディネリ」すなわち「冗談」を地で行くような編曲になっています。

しかしながら,サーカスの綱渡りを彷彿させるような,緊張感に満ちたひきつった笑いというところでしょうか。

 

第 2 番終曲バディネリの前半部分

これをインテンポで演奏するのは至難の業です。

 

同曲の最後の 9 小節

ほぼ原曲通りなので,右手が酷使されており,手がもう 1 本欲しいぐらいです。

 

さて,第 3 番は,前 2 曲とは編曲スタイルがやや異なっています。

それもそのはずで,原曲では 3 本のトランペットとティンパニが登場しますので,それらの模倣が随所にみられます。

まずは序曲の冒頭から低音のトレモロが華やかさを演出しています。

レーガー版でも同様に,ティンパニの模倣としてトレモロが多用されてはいますが,マルトゥッチ版の第 4 小節後半の低音域に駆け下りていく刺激的な表現はなかなか個性的ではないでしょうか。

 

第 3 番序曲の開始部分

ティンパニの模倣とみられるトレモロのために楽譜が真っ黒に見えます。

第 4 小節後半(3 段目)では,低音域に駆け下りていき,低音感がより強調されています。

 

フーガのところは,第 1 番や第 2 番と同様に,対位法的書法が強調されています。

それでも,通奏低音に由来する左手の低音部に,意地のように平行 8 度が多用されているところには凄みが感じられます。

 

同曲後半フーガの開始部分

対位法が重んじられており,各声部を書き分けた体裁になっています。

 

音響的な面以外で,マルトゥッチの原曲に対する理解の深さを垣間見ることができる箇所があります。

終曲ジーグの編曲においては,前半の最後のところで,弦楽合奏の部分だけが取り上げられており,トランペットとティンパニは無視されています。

マルトゥッチが,あたかも大バッハの弦楽合奏のみによる初期稿の存在を確信していたかのような編曲ぶりです。

 

第 3 番終曲ジーグの冒頭

冒頭では主旋律を 8 度で重ねており,トランペットの華やかさが模倣されています。

 

同曲前半の最後のところ

ここでは,弦楽合奏に由来する音符のみが書かれていて,トランペットとティンパニのパートの模倣は放棄されています。

 

マルトゥッチの編曲は,あくまでもピアノという楽器の特性を活かした編曲であり,管弦楽曲をピアノでどう模倣するかということに心血を注いでいて,大バッハのクラヴィーア曲,とりわけチェンバロ独奏曲のように,チェンバロ演奏を前提としたデリケートなアーテュキュレーションを踏まえたものではありません。

その点において,大バッハ自身が行った,ヴィヴァルディなどの他の作曲家の協奏曲からのチェンバロ独奏用編曲とはまったく別な世界です。

しかし,現代のバッハ演奏やバッハ解釈の端緒となる研究が盛んになるよりもずっと前の 1900 年頃という時期の編曲ながらも,大バッハの原曲をしっかりと読み込んだ上で,原曲の音楽性を決して損ねることなく,ピアノという楽器を用いての新たな表現を追求することに成功しているには違いありません。

にもかかわらず,演奏至難なこともあってか,マルトゥッチ版が顧みられることがなかったようで,最近まで録音もなされていませんでした。

コロナ禍の 2020 年 7 月に,イタリアのキアーラ・ベルトリオが録音したのが,世界初録音とされています。

レコード会社が「世界初録音」とうたっていても,調査不足や誇大広告で嘘のことが少なからずあり信用ならないのですが,本 CD については,筆者が知る限り,確かに前例はありません。

ベルトリオの演奏は素晴らしく,大バッハもマルトゥッチも深く理解し,高度な技巧が要求されている中でも冗長にならず,むしろ繊細な表現がなされていることに感銘を受けます。

そして,難易度を感じさせないベルトリオの優れたテクニックにより,べらぼうに高い演奏技巧が要求されているにもかかわらず,演奏の難しさに耳が引っ張られることなく,大バッハの原曲の持ち味である整然とした構築感を体感することができます。

特筆しておくべきこととして,ベルトリオは録音に当たって,リストが溺愛したシュタイングレーバーのグランドピアノを使用しています。

瞬発力と響きの透明感が印象的で,楽曲のスケール感を考慮すると,やはりこの楽器でなければならなかったのでしょう。

この楽曲,この演奏を通じて,19 世紀末のピアノ音楽のロマンティシズムの先にある新古典主義が見えてきます。

 

キアーラ・ベルトリオの演奏による CD のジャケット


【CD データ】

レーベル:Da Vinci Classics

CD 番号:C00644

J. S. Bach(Giuseppe Martucci 編曲)

 管弦楽組曲ピアノ独奏編曲版

   第 1 番 ハ長調

   第 2 番 ロ短調

   第 3 番 ニ長調

Chiara Bertoglio, Piano

 

組曲 第 5 番 ト短調 BWV1070

Ouvertüre Nr. 5 g-Moll BWV1070

 

【楽器編成】

ヴァイオリン I

ヴァイオリン II

ヴィオラ

通奏低音

 

【楽章構成】

1. 序曲 Ouverture

2. トルネオ Torneo

3. アリア Aria

4. メヌエットとトリオ Menuetto & Trio

5. カプリッチョ Capriccio

 

 

組曲第 5 番ト短調 BWV1070 は,大バッハの弟子でもあったペンツェル(Christian Friedrich Penzel)の筆写により,大バッハの死後,1753 年頃に作成されたパート譜が原典です。

 

註:管楽器のパートはなく,弦楽合奏のみの編成なので,「管弦楽組曲」と呼べないため,ここでは単に「組曲第 5 番」と記すことにします。

 

大バッハの次の世代の多感様式による作品であり,偽作とほぼ断定されています。

作風からみて,大バッハの長男のヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(Wilhelm Friedemann Bach)の作曲に間違いなさそうです。

 

序曲の冒頭部分(旧バッハ全集)

4 段目のパート名が “Cembalo” となっています。

 

旧バッハ全集のスコアでは,冒頭に 4 段目のパート名として “Cembalo” と記されていますが,これは “Continuo” の誤記だと思われます。

Continuo(通奏低音)をチェンバロが担うのは一般的だとしても,チェンバロだけが担うのではなく,ここではチェロとヴィオローネも想定されているはずです。

第 4 曲の「トリオ」の冒頭では,このパートのところに “Violoncello solo” と書かれており,他の箇所ではチェロ以外の楽器がチェロと一緒にこのパートを担っていることが示唆されていますので,やはりこのパートは “Continuo” に相違ありません。

 

第 4 曲のメヌエットと対になっているトリオの冒頭部分(旧バッハ全集)

4 段目のところに “Violoncello solo” と書かれています。

 

「序曲」は,緩急二部分で構成されていますが,緩徐な前半部分は,「フランス風序曲」に特有な付点リズムが排除されています。

大バッハの作品(真作)で,このようなリズムの「序曲」は他に例がありません。

後半は,テンポを速めて二重フーガが展開されますが,前半部分と同様なスタイルのテンポを落としたコーダはなく,そのまま終結します。

 

2 曲目の「トルネオ」は,南ドイツやオーストリアのギャロップ(馬の駆け足)を模倣した舞曲と言われています。

大バッハの作品で「トルネオ」と題された曲はありません。

 

3 曲目は「アリア」ですが,遠隔調の変ホ長調で書かれています。

大バッハの組曲で遠隔調に飛ぶ楽章は見当たりません。

 

第 3 曲アリアの冒頭部分(旧バッハ全集)

調号はフラット 2 つですが,当時の習慣上,フラットを 1 つ少なくして記されており,変ロ長調ではなく変ホ長調で作曲されています。

 

4 曲目は「メヌエット」で「トリオ」を伴っています。

「メヌエット」はト短調に戻りますが,「トリオ」は同名調であるト長調です。

 

終曲は「カプリッチョ」で,緊張感のあるフーガ仕立ての秀作です。

序曲後半のフーガと同様に,ここでも二重フーガとして作曲されており,高度な作曲技法が光ります。

 

大バッハの真作である 4 曲の管弦楽組曲の人気に比し,この組曲は偽作ゆえにあまり顧みられることがなく,不当に過小評価されているように思います。

大バッハの作品ではないとしても,組曲第 5 番自体は熟練した作曲技法に支えられつつ強烈な精神性が表現された逸品です。

せっかくの個性的な作品が,誤って大バッハの「管弦楽組曲」と一括りにされてしまったがゆえに,爪弾きにされる不幸な運命に陥ってしまっていることは大変残念です。