前回はファイトケミカルのポリフェノール類をご紹介しましたが、今回はファイトケミカルのイオウ化合物をご紹介します。


イオウ化合物とは、聞きなれない言葉ですが…
ニンニクや玉ねぎなどのユリ科の野菜、アブラナ科の大根やわさびなどに含まれる辛味成分のことで、強い殺菌力があります。


イオウ化合物の特徴は、強い刺激臭で、そのニオイ成分が強力な抗酸化作用を発揮します。
さらに血栓を溶解させたり、血行をよくする働きもあり、血液をサラサラにする効果があります。


【イオウ化合物に属するファイトケミカル】

◽︎イソチオシアネート
キャベツ、白菜、大根、わさびなどのアブラナ科の野菜に多く含まれる成分。
最も注目されているのは抗がん作用で、癌になる前の異常化した細胞の増殖を抑え、発癌を抑制する働きがある。
また肝臓の解毒酵素の働きを活性化させたり、血栓が出来るのを防いで心筋梗塞や脳梗塞の発症を抑える。

大根おろしの辛味成分でもあるイソチオシアネートは、大根を摩り下ろすことで起きる化学反応によって生じる。その量は根の先端に近いほど多いとされている。

◽︎アリシン
にんにく、玉ねぎ、長ネギ、など香りの強い野菜に含まれる刺激臭や辛味成分。
細胞が破壊されないと生成されない物質。
強い抗菌、抗カビ作用がある。疲労回復効果、血流をよくし血液をサラサラにする効果、アンチエイジング効果などがある。


◽︎アリイン
ニンニクを切ったり摩り下ろしたりした時にアリインがアリナーゼにより分解され、アリシンに変化します。
血糖や中性脂肪、LDLコレステロールを下げる作用がある。



◽︎スルフォラファン
アブラナ科の野菜に含まれている成分。
ブロッコリースプラウトには、成長したブロッコリーの20〜50倍ものスルフォラファンが含まれている。
一度摂取すると解毒酵素の働きが3日間持続すると言われている。
ピロリ菌除菌、解毒作用、花粉症抑制などにも有効。


イオウ化合物は、ニンニクやネギなど刺激のある香り成分の総称で、免疫機能を高めるほか、疲労を回復する効果も期待できます。
よく風邪を引いたらネギやニンニクを食べるといいと、言い伝えられていますが、それはこのイオウ化合物の効果からきているのですね。