アルガンオイルは、食用としても化粧品としてもどちらにも使用できる万能なオイルです。



アルガンオイルは、アルガンの実を天日で乾燥させて、実から種を取り出し、さらに種から仁を取り出します。取り出した仁から石臼による低温圧搾法でオイルを絞り出しボトルに詰めて、化粧品用として出荷します。色は黄金色のとても美しい色です。
透明な状態で売られているものは、精製されているか、もしくは偽物になります。


食用のオイルは、仁をローストしてから低温圧搾法で搾油するため、色は茶褐色で、香りはナッツのような香ばしさがあります。またローストタイプは酸化に強いため加熱調理に向いています。


[脂肪組成]
オレイン酸  47.3%
リノール酸  33.2%
パルミチン酸 13%
その他  6.5%

オレイン酸が脂肪酸の約半分を占めているため、
オメガ9系のオイルになります。


オレイン酸の効果は、オリーブオイルや米油の効果効能ですでにご紹介していますが、血液をサラサラにし、悪玉コレステロール値を下げる、動脈硬化などの生活習慣病の予防、腸の蠕動運動を活発にし便秘を解消するなどの効果があります。




次に多い30%近くあるリノール酸は、オメガ6系の必須脂肪酸ではあるものの、様々な食品に含まれているため現代人が過剰摂取していると問題視されている脂肪酸になります。
リノール酸は、摂りすぎると免疫細胞が働きにくくなる、アレルギーの促進、動脈硬化や心臓病などを誘発する可能性があると言われているのでオメガ3との摂取バランスが重要になり、取り過ぎには注意が必要です。


そして、アルガンオイルがここまで人気がある最大の特徴は、ビタミンEがとにかく豊富に含まれているという点です。

ビタミンEの含有量はオリーブオイルの4倍近くもあると言われています。


アルガンオイルの中にはビタミンEのα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4つのトコフェロール全てが含まれている大変珍しく貴重なオイルなのです。

特に、γトコフェロールが豊富で、利尿作用を促進し、むくみ改善や美肌に効果があると言われています。


ビタミンEは、強い抗酸化作用を持っていますが、この抗酸化作用はお肌を綺麗に若返らせるだけではなく、コレステロールや脂肪の酸化を防ぎ、血管を綺麗な状態にする働きや、高血圧、脳梗塞、糖尿病などの生活習慣病のような活性酸素が悪さをして起こる病にも効果を発揮します。



アルガンオイルは、食用としても化粧品としも使用できるオイルですが、食用として販売しているお店が少ない、値段が高い、リノール酸の含有量が多い、含まれている脂肪酸や栄養素は、オリーブオイルや米油などでも代用できるなどという点から、正直なところ食用としてわざわざ購入する必要性は感じないかもしれません。


ただし、美容オイルとしてはかなり優秀なオイルなので、試してみる価値はあると思います。
次回は美容オイルとしての使用方法や効果をご紹介したいと思います。