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第17章 【モーツァルトのオペラ・ブッファ】
                  2014年8月23日

前回は、ザルツブルグ音楽祭で見てきた
モーツアルトの「ドン・ジョバンニ」のお話をしました。
ザルツブルグで1756年に生まれた
天才モーツァルトが作曲したオペラ

 「フィガロの結婚」「コジ・ファン・トゥッテ」
そしてこの「ドン・ジョバンニ」は、
いわゆるオペラブッファという種類で、
物語に喜劇の要素があるんですね。

モーツアルトが「フィガロの結婚」を作曲したのが
1786年 モーツァルト30歳の時。
そして「コジ・ファン・トゥッテ」が1790年
(モーツァルト34歳)
「ドン・ジョバンニ」が1787年(モーツァルト31歳)
モーツアルトは35歳という若さで亡くなっていますが、
こうしたオペラブッファを30代になってから書いています。

前にもお話しましたが、喜劇はリアルという通り、
喜劇の中には真実があると思うんですね。 
モーツァルトは、当時の貴族社会の中で、
世の中のしきたりや人間の様子を、
単に皮肉という言葉だけではあらわしきれない、
皮肉をはるかに通り越してしまうくらいの
鋭い表現力でオペラの形にしたんです。

人間の本質を描く、
独自のスタイルを喜劇の形でオペラにしたわけなんですね。

もちろん、
そこにはモーツァルトの音楽自体がすばらしいということが、
まずあるんですが、
その上モーツァルトは、感情をふるわせるということ、
人間が人間であるための本質をつかんでいたという意味でも
天才的な力を持っていたのではないかと思います。
それが結局、喜劇や笑いにつながっていくんですね。

万国共通で、時代を超えた男女の、
変わらない根本がコメディとして描かれている部分があって、
結局それは人間が誰しも根底に持っているものなんですよね。
笑いの原点には、人間があるといったらいいでしょうか。
たとえば、男性からみて、
女性は貞淑であってほしいという願望とか、
女性は浮気なんかしてほしくないという思いがあるんだけど、
実際にはすることもあるよねというのが
「コジ・ファン・トゥッテ」の物語だし、
初夜権なんていうとんでもない風習をエッセンスにして、
伯爵を皮肉に、描いたのが「フィガロの結婚」
そして「ドン・ジョバンニ」は、
いわゆるドンファン伝説を基にして、
何人もの女性と遊び歩く男性を描いています。
こちらは単に喜劇を言ってしまえなくて、
殺し殺されるシリアスな場面も
たくさんあるのですが、これも究極の人間の姿とも言えるんですね。


人間の本質を描くと、喜劇になる。

オペラだけでなく、
普通のお芝居でも同じことが言えるはずで、
私,大和悠河は、
人間の本来の姿を描いているような、
そんな作品をこれからもお届けしていきたいと思っています。