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第10章 【アイーダ】 2014年4月27日
 
今日は、私の最も好きな歌劇場、
イタリアのヴェローナ野外歌劇場、  
アレーナ・ディ・ヴェローナの話をしちゃいます。 


アレーナ・ディ・ヴェローナには宝塚卒業後何度か行っていて 観たオペラは数々あるので、
またいろいろお話していきたいと思いますが、
その中でも、特に大好きな、
アレーナ・ディ・ヴェローナならではのオペラといえば  
 
『アイーダ』  
 
そしてヴェローナといえば、
私の頭に浮かぶのはやはりマリア・カラスです。
マリア・カラスの原点は
このヴェローナなのではないかと思います。

今日は『アイーダ』や劇場について、 それからイタリアオペラのお話、マリアカラスの恋愛や人生
などなどお話したいと思います。 

 
『アイーダ』は、ヴェルディ作曲のオペラで、
皆さんもきっとストーリーはよくご存知だと思います。  
ミュージカルにもなっていて、宝塚や四季でもやっていますよね。
オペラ『アイーダ』では、
『凱旋行進曲』のメロディが特に有名です。
皆さんもきっと聞いたことがあると思います。  
サッカーの応援にも使われていますよね。
 
世界各国で上演されているアイーダですが、
壮大でスペクタクル的な要素もあるので、
野外オペラ公演でもよく取り上げられているんです。
 
NHKの『地球アゴラ』でもお話しましたが、
大きく広がる空間や星空そのものを背景に、
壮大なセットがよく映えてすばらしい演出効果になるんですね。        
 



野外で、音響とかどんな感じかな?
と思われるかもしれませんが、
石造りの建物に音が響くようになっていて、
劇場の中で何かがコロンと転がっただけでも
あちこちに共鳴して伝わるような、
空気とか、建物の素材や造りとか、すべてのものが絡み合って、
ヨーロッパの歌劇場ならではの音の伝わり方響方が
実に素晴らしいんです。  
まさに 環境と
イタリアオペラならではの発声 ベルカントが進化していって、
声そのものの『力』が
オペラ作曲の土台になっていくんです。 


ところで、
今では海外の一流オペラの来日公演も珍しくないですが、
昔は交通手段もなくて
なかなか海外オペラを日本で観る機会もありませんでした。  
そんな中で、
NHKイタリアオペラというのが1956年からしばらくあって、
1956年の第1回の演目は『アイーダ』で、
9月に東 宝塚劇場、10月に宝塚大劇場で公演されました。  
この『アイーダ』を観て、
『 細雪』の原作者の 谷崎潤一郎が
『イタリアオペラがあれば歌舞伎はもういらないね』
と言ったという話があります。  
逆説的な言い方ですが、
美や 文化を愛する 谷崎潤一郎の心をしっかりとらえたようです。
 
1972年にNHK ホール、そして1997年に新国立劇場と、
ようやく日本でもオペラを上演する劇場ができましたが、 やはり、イタリア、ヨーロッパの劇場とは
文化の違いや 考え方の違いなどがあると思います。
 
劇場のお話になってしまいましたが、
アイーダはご存知のようにエジプトの 軍人ラダメスと
エチオピアの 王女アイーダ、
そしてエジプトの 女王アムネリスの恋愛を めぐるお話で、
ヴェローナで観劇してとても印象的だったオペラです。  
私のイメージでは、
ヴェローナといえば、マリア・カラスの 結婚生活の 舞台であり、
まさにオペラ ティックな恋愛の始まりという気がしています。
 
情熱的で ドラマ ティックな、
オペラそのもののような人生を送ったマリア・カラスが歌ったアイーダ。  
人を愛する純粋な気持ちと、 嫉妬が渦巻く 激しい恋愛。  
まっすぐに自分に むかっていくマリア・カラスのお話は、
また次の機会にじっくりしたいと思います。
 
『アイーダ』は、
サッカーの 場行進でも使われている『凱旋行進曲』の壮大さや、ピラ
ミッ ドがあいたりしまったりする
これもまた壮大な 舞台装置がすばらしくて、
星空までが 舞台となるような、 宇宙と ドラマが一体化するようなオペラです。
 
ヴェローナだからこその宇宙的な規模で繰り広げられる、
アレーナ・ディ・ヴェローナにぴったりのオペラですね。