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[12.6 J1昇格プレーオフ決勝 福岡1-1C大阪 ヤンマー]

 アビスパ福岡の大卒ルーキーが5年ぶりのJ1昇格に貢献した。プロデビューとなった7月22日の京都戦(2-1)から最終節まで全18試合に先発したMF田村友。J1昇格プレーオフでも11月29日の準決勝・長崎戦(1-0)、そしてこの日の決勝とフル出場し、堅守の一角を担った。

「1年目からJ1昇格を経験させてもらって、いい経験になったし、ありがたい。率直にうれしいです」。福岡大から今季入団した23歳は、プロ1年目のJ1昇格を素直に喜んだ。

 リーグ戦終盤は8連勝を飾り、12戦不敗でレギュラーシーズンを終えた福岡。田村の先発定着後、負けたのは8月23日の岡山戦(0-1)だけで、天皇杯、昇格プレーオフを含め、田村が先発した試合は17勝4分1敗と驚異的な成績を残している。

 大学時代はボランチだった背番号26だが、元日本代表DFの井原正巳監督によってセンターバックとして抜擢され、一戦一戦成長を遂げた。この日も3バックの右ストッパーで先発し、1点を追う後半39分からチームが4バックにシステムを変更すると、左センターバックとして柔軟にプレーした。

「もともとディフェンスは得意じゃなかった。でも、試合に出させてもらううちに、対人の強さには自信が付いてきた。ボランチは360度、相手がいるけど、センターバックなら前からしか来ない。ビルドアップでは自分の持ち味を出せるポジションだと思う」

 日本を代表するリベロだった井原監督から学ぶことも多い。「監督の指導は細かいし、守備ではハードワーク、1対1での球際を強く言われる。一言一言に説得力があるし、井原監督だから信じようというのも選手にはあると思う」。井原監督の薫陶を受けた“秘蔵っ子”。5年ぶりJ1復帰を支えた陰の功労者とも言えそうだ。

(取材・文 西山紘平)