知るは門番黒猫

 

昔むかしの 中國のお話

宮廷の楼門の番人 ある日の夕暮れ

奇怪な光景を 見ちまった

眼下に並ぶ店々の一角 とある薬房の亭主

キョウモ ヨク ウレタ アルネ と店仕舞い

禿頭ぺたぺた撫でると

軒下の看板の 「壺の中」へ ツルリ

 消えた

あれま 「酢屋の銀次」 ぢゃないか

やはらかいこと

門番気がかりで 夜も寝られず

 

 

翌日訪ねると

イヤ オメガ タカイ ウレシイ アルネ

「二人銀次」は 仲良く 早速中へ

壺中 豁然として 青山山河あり

鶏鳴東天 山羊啼き 子ら明々と笑う 

清楚なる村落あり

知るひとぞしる 塵中の「桃花源」

一壺中に在り

 

天道花 京左右往来展

今回の展の 連衆は四人四彩

五彩には一つ 足りないぢゃないか

いやいや 「肝心の壺」を忘れては 成り立たぬ

 

「壺」とは…「若王子倶楽部左右」

かの南画絵師 「田能村直入」の 画塾旧跡である

 

蔵造り瓦敷そのままに その形象は

まさに 「壺中」そのもの ではないか

 

壺中の宙

その銀漢の

煌めき

まぁ

<見えぬやもしれぬ>

<笑って許して>

 

 

会期●2024年5月23日(木)~30日(木)

11時~18時<無休>最終日17時

会場●壺中の宙/若王子倶楽部左右

京都市左京区若王子町15

電話080-5811-4123

 

 

<25日限定>

壺中

<若王子倶楽部左右にて>

 

一碗の茶 路傍の試み

外国訪問の折あらば 路傍 公園 広場

場と人を選ばず 一碗の対座を試みる

スニーカー履きの売茶翁 岡本タク氏の茶会

<写真はポーランド・ワルシャワにて>

 

<やがて取り壊し予定の廃屋 その玄関での文字通りの一期一会>

 

<彼岸此岸の一碗>

からを引くと

勝手な想像ではあるが

岡本タク氏にとっての 「茶」とは どんな場であろうが

対座した処が茶室となる

写真を見ていると

一碗を中にして

両者の緊張や思いが

際立って

くる

面白れぇ

なぁ

 

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