コミックエッセイ
『介護日記~父と家族の2163日』 2023.5
猿渡さる子(著)和田秀樹(監修)
〈紹介文〉
本書は、約6年の間に著者がお世話になった病院・施設での介護体験をマンガで描いたコミックエッセイ。
2022年年間ベストセラー第1位『80歳の壁』の和田秀樹氏が監修。
「本書は、これまで日本にはなかったきわめて実用性の高い介護のガイドブック。多くの介護のことをよく知らない人にとって、実際に役立つ情報源」
(本書、和田秀樹氏解説文より抜粋)
〈紹介画像より〉
〈個人の感想です⇩〉
「介護日記」というタイトルに魅かれたのと、さっと読めるコミック形式だったので読んでみました。
いやーーーーー、なにしろ具体的!!
著者さんが現在進行形で直面してる、ドキュメントですもんね。
著者のお母さまは以前から足が悪かったところに、お父さまが脳梗塞で倒れたところから、ドトーーーの介護生活がはじまるわけで…
現実にも、こんなカンジで「いざっ出陣!!」⇒疾風怒濤な「介護の日々」に巻き込まれてしまうんだろうな~って実感できます。
実際、著者の体験されてる時系列にそって
「救急病院編」
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「回復期リハビリテーション病院編」
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「老健施設(父)編」
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「老健施設(母)編」
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ひとつめの「介護付有料老人ホーム編」
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「老人ホームのお引越し編」
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ふたつめの「介護付き有料老人ホーム編」
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そして最終章が「いつかくるその日のために」ということで、おお父さまの「看取り」となっています。
それぞれが、とても丁寧に&ユーモア満載なコミックとして書かれていて、でも内容は料金やトラブルも含めてとても具体的かつ濃くて、とってもよいご本♫
なにより著者さんと、ご両親と同居されてた独身のおねえさんとの二人三脚ぶりが、とっても安心できて清々しいです。
著者さんの夫さんやお友達たちの目立たぬアシストぶりも。
著者さんの場合は、ご両親の貯えがあって、会社員のお姉さんの安定した収入もあって、賢くそのときどきのご両親の状況&経済状況を見定めて、たとえば老人ホームをうつったりしてます。
そこのところも、ご本人は後書きで「恵まれた例だから参考にならない人もおられるだろう」と書いておられますが、いやいや、極端に「貯えゼロで途方に暮れる」でもなく「とってもお金持ちだから悩まなくてよい」でもなく、一般的にいちばん参考になる例を教えてくださったように思います。
で…やっぱり姉妹の仲が良くて、ふたりともちゃんと冷静に課題に対処できる同志だから、こんなに読後感が清々しいんだろうな~とは思います。
ただ、最初からお母さまは足がお悪くてそのうち車いす生活になられたわけで、どちらかひとりではなく同時にご両親ふたりの介護生活に直面したことは、ユーモアまぶして描かれてるけど実際は大変だっただろうなーと思います。
あと、そのときどきにかかわった方たち~ケアマネさんや病院と施設のスタッフさんたちが、感謝をこめてステキに描かれてることも。
これもね、実際には合わない人もムカつくこともあったと思うけど、基本ポジティブに描かれていて、でももちろん美化されてるようではなくてちゃんとリアルで、そこもよかったな~。
さいご、著者さんもお姉さんも、ちゃんと自分のダイジな「推し活」を死守したうえで、「プラス介護」を貫いておられること、とっても勇気がわきますね。
うちはまだ義母が一人暮らしをしてくれてるから「直面」とまでは言えないけど、だけど正直「時間のモンダイ」ですからね。
いざというときに頼れると思えるお守り本がまた一冊増えました。