セラピスト養成スクールを運営して11年ほど経ちます。
「養成」なので、経験のない初心者の方が受講におこしくださるのですが
学びには段階があります。
ゼロベースからスクールの習得時間内で、
一流のセラピストになれることはほぼ無いと考えてもらっていいと思います。
例えばエフルラージュひとつにしても
一連の流れのなかで意識することは5～6個あります。
（エフルラージュとはオイルトリートメントの基本で軽擦法といって、擦るマッサージ法です）
簡単に見えるので、すぐにできる！と思いがちなのですが
この手技だけを半年かけて学ぶ人もいるほど奥が深いのです。
だからこそ、焦らずに段階を踏んで、ひとつづつクリアしていくと
小さな成功を重ね、自信につながるのではないかと思います。
【学ぶステップ】
①見る：講師の動きを見て学ぶ
②触る：実際に皮膚に触れて感覚を知る
③機能性解剖学：骨格、筋、膜、臓器の位置を理解する
（位置以外にも筋の厚さ、深さ、つなぎ目。骨格の大小、つながり、折れやすい骨、関節など）
④反芻：エフルラージュを何度も繰り返して動きを学ぶ
（自然とできるようになるまで）
（一度に5、6個の意識が必要）
⑤考察：自分がどこにアプローチしているのかを理解する
⑥感覚：手の感覚を信じる
⑦エネルギー：クライアントの心身と同化する
⑦リズム：途切れることなく、トリートメントの一連の流れをつくる
⑧探る：問題の原因を探る
（クライアントの痛みの原因、浮腫みの原因、違和感の原因などは痛いところではないことが多い）
私がⅠから習得するなら、このような流れで順を追って体に覚えさせます。
③の機能性解剖学について学ぶことは必須です。
【その他】
■タオルワークは音を立てず、風を送らず、細やかな配慮でスムーズに行う練習
■お声がけは声のトーンとスピードを大切に
■フットバスの流れはお客様に負担をかけないように
■セラピストの力の抜き方
■セラピストとしての心構え、意識すること
■セラピストの体調管理
■クライアントとのコミュニケーションの取り方
■アドバイス方法
■精油の禁忌と特徴
など。
オールハンドのトリートメントにおける技術は実技にとどまらず
知識や経験のスキルが必要。
数年単位でもいいのです、
自分なりに「掴む」感覚を得られるまで向き合っていくことの方が大事です。
習得後の練習の方に時間も労力をかけられた人だけが
大成するのはどの世界でも同じです。
またセラピスト同士の交流で情報の収集や交換ができることも
続けていく大きな要因になっていくことも事実です。
こちらは全身を包む筋膜の画像ですが
1枚の膜でつながっているから、筋肉がひとつでも凝り固まると
全身がそこへ引っ張られます。
だから、痛みがある現在地よりも
引っ張り元を探るようが改善する可能性も高くなります。
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スクール卒業後に再度集まって練習をすると、
自己流になっていたりします。
人の施術の仕方を見ることも学びになりますし、
交流も図れます。
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