群青色の夢を視る

群青色の夢を視る

飛鳥時代より。拙い文章ですが、日々の出来事や思い出話、あわよくば創作小説などをのんびり綴って行きたいです。

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「柊ちゃん、何で本棚にこの本2冊有るの?」

 背の高い本棚の前で並んだ背表紙を眺めていた親友が、怪訝そうに問うて来ます。

 僕がまだ高校生だった頃、学校が休みになる日曜日は毎週のように親友であるヒロと遊んでいました。
 この日も実家の自室に彼女を招いて、のんびりとした時間を過ごしていたのです。

 ヒロは『O型取り扱い説明書』というタイトルの小さい書籍を二冊本棚から取り出して、表紙を見比べたり、パラパラとページを捲って中身を確認したりしています。
 そんなヒロの様子をゲームの片手間横目で見ながら、僕は違う角度から攻めることにしました。

「なあヒロ、中学の頃僕と初めて話した時のこと覚えてる?」
「どうしたの藪から棒に。もちろん覚えてるよ。私が廊下側の机に座って、O型取り扱い説明書を読んで…あ!?」

 そこまで口にして、彼女ははっとした表情を浮かべます。同時にじっとりとした視線が僕の頬に刺さっているような気もしますが、恐らく気のせいでしょう。

ヒロと僕が出会ったのは、中学三年生の頃。隣のクラスの廊下に面した席に座って例の本を読んでいたヒロに、興味本位で声を掛けたのがきっかけでした。

「ヒロさん!何読んでるの?」
「はいィッ!?」

突然廊下から身を乗り出して話し掛けたことに申し訳なくなる程の動揺っぷりです。
あわあわと視線を泳がせながらも、当時のヒロは僕に例の本の表紙をそっと見せてくれます。

「あー! これ知ってるよ!面白いやつだ!ていうかヒロさんO型なんだな!」
「アッハイ、ソウデスネ、自分もたたたまたま見付けたから買ってて意外と面白くて」

ヒロ、超絶挙動不審。
それから一言二言会話した後、ヒロは快く例の本を貸してくれる運びとなりました。

「それから数年経った今も返してもらってないってことか…貸したことすら忘れてた位だよ…」

呆れたように言うヒロ。
これは僕の偏見ですが、僕の周りのO型は忘れっぽい人が多いように思います(勿論全てのO型の方がそうと言う訳では有りません)。

「それはそうと、一冊は私が貸したものだとして何で二冊も有るの?」

ごもっとも。
それはですね、家にヒロから借りたものが有ることを忘れた僕が、新たに書店で購入したからです。

やはり僕の周りのO型は忘れっぽい人が多いように思います。