再び劇場で『千年女優』どうも、5回目ですかね。

 

しかし今回は若干事情が異なります。いつもはだいたいミニシアターで単発的にかかりますが、今回はなんと全国112館で一斉リバイバル。デジタルリマスターとかじゃなくてリバイバル。20年も前の作品をそのまま映画館で全国で上映ってめっちゃすごくないですか?

 

さて、今回は新しい映画館で見たので、今まで以上に音楽がきれいに聞こえました。ここにこんな繊細な効果音が入っていたのかとか、ここにはBGMが付いていたのかとかめちゃくちゃクリアで感動。そして、あたらめて話の流れ方と場面転換の秀逸さに感動しました。本当にこれは神の所業。

 

もはや、ストーリーはもちろんだいたいのセリフも頭に入ってますが、お話そのものも好きですが、芸術作品としてこの映像と音そのものが好きというレベルで好きですね。永遠に見れますね。見ても見ても発見がありますね。

 

鍵を失うと女優であることも鍵の君も追いかけることもできなくなる。

だとしたら、最後の手元に鍵がある瞬間、彼女は女優だったのだろうか。千代子本人だったのだろうか。

女優でありながら女優は手段なのだろうか。たどり着くための。

そして、それぞれが役割の中から出られない永遠の糸車。

 

本当にこの作品は芸術として神の所業としか言えない。

そしてそんな作品と同世代であれる幸せ。

20年前の作品だけれども決して色あせない。まだまだ人を魅了し続ける。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

監督:今敏

出演:荘司美代子、小山茉美、折笠富美子 他
2002年/日本

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー