ザ・フライ | CINEMA道楽

- これは、究極の恋愛映画です。
同意してもらえたことはまずありませんが、私はずっと言い続けています。
「ココロが大事、愛していれば見た目は関係ない」と思っているはたくさんいると思います。
でも、愛する人がネバネバグログロのハエ男になってしまっても、躊躇なく抱き締めることができますか?
この映画は、観る者にそんな問いかけをしてきます。
「究極の愛」が試されている映画だと私は思います。
クローネンバーグ監督の映画には、グロテスクな「異形のもの」がたくさん登場します。なので、ホラー映画に分類されてしまうことも多いです。
私もホラーやスプラッター映画は苦手ですが、クローネンバーグの映画はとても好きです。
それは「異形のもの」たちが、ただの恐怖や不快感の対象として襲ってくるだけではなく、人のココロの奥底に眠っている良心や悪意を暴くものとして襲って来るからです。
クローネンバーグの映画を見終わった後の「ココロの痛み」は、他の監督の映画では決して味わえない独特のものです。
特殊な能力や外見を持ってしまった者の痛みと悲しみ。
愛する人が異形の者と化してしまった人たちの痛みと悲しみと戸惑い。
それが、ひしひしと伝わってくるのです。

