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〜腰痛対策の基本方針はどのようなものでしょうか?〜

 

ヨーロッパおよび日本には一般的に推奨される腰痛改善ガイドラインというものがあります。

 

様々な研究を元に腰痛に対する大まかな治療方針を立てましょう、ということで腰痛の専門家が作っています。

 

急性腰痛(腰痛が生じてから3ヶ月以内)

安心してもらう

活動性を維持する(少々痛くとも動ける範囲で今までどおりの生活を送る)

安静臥床は極力控える(二日間程度まで)

 

慢性腰痛(腰痛が生じてから3ヶ月以上経過している)

超音波や電気治療などの機器は使用しない

専門家によるセルフエクササイズ指導

 

 

急性期の非特異性腰痛の先々の経過は基本的にに良好です。

 

痛みが強くなったり弱くなったりと波がありますが、90%以上の方が特別な治療を行わずとも数週間以内に症状は改善します

 

急性期で大切なことは、症状を長引かせるリスクをできるだけ減らすことです。

自然治癒力に上手く乗せていけるとはやく改善します。

 

なるべく早期から、できる範囲で活動性を維持しましょう。

 

日本ではまだまだ「痛みがあれば安静」が常識となっていますが、実は安静にし過ぎることや日常生活の活動を制限することは腰痛を慢性化させるリスクを大きくしてしまいます2)

 

今年の2月中旬には、米国内科学会からの腰痛治療におけるガイドラインが新たに発表されました。

 

その内容の一番のトピックは

腰痛治療の第一選択肢としては、お薬以外(エクササイズなど)から始めましょうということになっております。

 

その手段に限らず、動く、動かすことも同時に推奨されています。

 

安静の期間やお薬についても、日本の腰痛に対する常識は世界から見ると常識ではなくなってきています。

 

1) Koes, B., et al. (2010). An updated overview of clinical guidelines for the management of non-specific low back pain in primary care. European Spine Journal, (19)20, 2075–2094.

2) Hancock, M., et al. (2007). Systematic review of tests to identify the disc, SIJ or facet joint as the source of low back pain. European spine journal, (16), 1539-1550.