外転神経麻痺とホルネル症候群 | きくな湯田眼科-院長のブログ

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横浜市港北区菊名にある『きくな湯田眼科』

脊髄側角の中間質外側核に交感神経の下位中枢がありますが、頭部に至る交感神経の核は胸椎T1からT7にあります。



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この内、瞳孔散大筋に行く交感神経核はT1とT2にあり、これをBudge center (バッジ中枢): ciliospinal center と言います。


頭部血管に行く神経核はT2からT4に、顔面頭部の毛髪、汗腺に行く神経核はT4からT6に、顎下腺に行く神経核はT2からT5にあります。


これらの交感神経核から出た神経は白色交通枝を経て上頚神経節でシナプスを作ります。



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ここでの神経伝達物質はアセチルコリンです。




上頚神経節を出た交感神経節後線維は内頚動脈神経叢を作り、内頚動脈に伴って走行します。



海綿静脈洞内で内頚動脈神経叢を離れた交感神経枝は外転神経内に入り、すぐに三叉神経第1枝・眼神経に移行します。この後、長毛様体神経を構成し、毛様体神経節をシナプスを変えることなく素通りして瞳孔散大筋に至ります。




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この神経走行は神経学的にかなり重要な意味を持ちます。例えば外転神経麻痺にホルネル症候群を伴っていれば、内頚動脈神経叢から外転神経に入るところでの障害を意味します。