話は前後しますが、採卵当日の朝のこと。



私と相方は一緒に住んでいません。


採卵日は精子を持参しないといけないので、

朝、駅で待ち合わせをしました。


フレッシュな物限定なので

家を出るギリギリでよろしく、

と伝えてありました。



時間厳守の採卵なのに、待ち合わせ時間を過ぎても相方が現れません。


「手こずってるのかな…」

「まさかの出ず?…」


と不安に苛まれていると、

人混みの向こうから

相方が走ってくるのが見えました。



いや、剥き出し!



これに精子を入れて来てください、と

病院で渡されたケースが入っていたビニール袋。


それをそのままを、手にぶら下げているではありませんか!


何かに包むとか、せめて鞄にしまうとか…



シャカシャカにシェイクされたフレッシュな精子を人混みの改札で受け取り、

そそくさと採卵に向かうのでありました。