(続き)

前回に続いて、金井美恵子の本


金井美恵子の本は、ほとんど姉の金井久美子が装丁、装画、デザインをしている


今回、選んだのは、


金井美恵子 エッセイ・コレクション
[1964-2013] 4
映画、柔らかい肌。
映画にさわる
(2014)
平凡社

映画についてのエッセイ

ブログで、ヌーヴェルヴァーグのことを私はときどき言ったりするが、もし目の前に金井美恵子、山田宏一、蓮實重彦がいたら、ひと言も何も言えなくなってしまうだろう(恐れ多くて、怖くて)。
↑この本に、映画評論家の山田宏一から、金井美恵子へのインタビューが、2回載っているが、映画についての話が機関銃のように飛び交い、見ている(読んでいる)側としては、呆然と、二人が映画愛と映画の魅力を語るのを眺めているしかないというかんじになってしまう。

金井美恵子の本の表紙の一部

赤い部分のところ右上矢印

『タマや』

『タマや』の表紙は、姉の金井久美子のデザインではなく、女優のアンナ・カリーナ

ちょっとうろ覚えだが、映画評論家の山田宏一が撮ったものを借りたというのをなにかで読んだ記憶がある。

この写真は…


『NOUVELLE VAGUE』
  山田宏一写真集
   平凡社
の写真は、ゴダールとアンナ・カリーナ

山田宏一さんは、この写真集の中でも言っているが、「自分は写真家ではないし、アマチュア写真家でもない。」と。
しかし、山田宏一さんは、ゴダールの『アルファヴィル』の撮影中にゴダールに会っている。
『アルファヴィル』の撮影中のスチール写真のような写真、そして撮影後のときのものがかなりたくさん撮られている。

金井美恵子の『タマや』の表紙の写真は、このときにアンナ・カリーナを撮ったときのもの。写真集の中に表紙の写真が入っている。

ゴダール、アンナ・カリーナのほかにも、トリュフォー、フランソワーズ・ドルレアック(亡くなる1年前のかなり貴重な映像)、カトリーヌ・ドヌーヴ、1968年 カンヌ映画祭中止を呼びかける記者会見(ヌーヴェルヴァーグの映画監督がたくさん)、当時の映写妨害の混乱時の写真が載っている。
スナップショットでヌーヴェルヴァーグの監督、女優たちを撮ったものを集めた写真集。


金井美恵子の本の表紙の一部

青い部分のところ右上矢印

『柔らかい土をふんで』(1997)



表紙は、ゴダールの『カルメンという名の女』のスチール写真。
金井久美子によると、この表紙は、年配の編集者には評判が悪かったが、石井桃子から「私が装丁賞の選考委員だったら、この本に装丁賞をあげたい」という手紙をもらったとのこと。

この本(金井美恵子 エッセイ・コレクション 4)には、たくさんの映画、映画監督、俳優、女優、キャストのことが書いてある。

ドキュメンタリー映画監督のワイズマン。
近所の図書館にミニシアターがある。
昔、ワイズマンの映画特集があって、見に行ったことがある。ワイズマンのドキュメンタリー映画は好きで、劇場公開でも見に行った。
アメリカの映画作家ガス・ヴァン・サントの『エレファント』を昔見たことがあるが、金井美恵子によると『エレファント』はワイズマンの影響を強く受けた作品であるという。

『ニューヨーク公共図書館』
  フレデリック・ワイズマン



金井美恵子 エッセイ・コレクション 4 より

金井久美子インタビュー



写真が小さくてわかりにくいですが。
インタビューでは、やはり映画の話題が多い。ほかにも、前述の石井桃子のエピソードのことや、久世光彦が書評記事で表紙について書いていたということを言っている。どんなふうな表紙にするかということ、映画関係者もかなり携わっていることがこのインタビューでわかった。

表紙の裏



(。・∀・。)ノ🌹🌹🌹

東西問わず、たくさんの映画のことが書かれていますキラキラ

MATANE~リボン リボン