今回は、イランイランとウィンターグリーンを中心に創香してみました。
今月届いたドテラのウィンターグリーンオイルが、思ったよりふくよかでロングラスティングだったので、面白いなと思ったのがきっかけです
ウィンターグリーン
香りの仕事に携わっていますが、会社でウィンターグリーンオイルを使ったことはありません。
ウィンターグリーンは、メチルサリシレートという、湿布などに用いられる単一の化合物が99%以上なのです。
会社の精油のラインナップになかったから、というのと、メディカルアロマとして重要かもしれませんが、香りとしてあまり面白くなかった、というのが正直なところです。
メチサリなら、合成香料として存在するし、そんなに多く入れる成分でもないですからね
和名はヒメコウジ。
秋に鮮やかな赤い実をつける常緑の低木です。
メチサリは湿布や痛み止め、ニキビ薬に用いられています。
紅茶や華やかな中国茶なんかにも微量、含まれています。
ドテラのウィンターグリーンはかなり持続性と迫力がありますね。
香りは、湿布のように刺すような刺激的な香りをしていますが、華やかな甘みや白い花のイメージも感じられます。
トップノートとしても目立ちます。
これをどう使うかというと、イランイランと共通するような刺激と甘みを感じたので、もっと華やかで複雑な香りをもつイランイランをバックで支える役割をしてもらおうと思いました。
香りの組み立て
まずはお決まり、ムエット(匂い紙)をオイルにつけて、香りの特徴や持続性を確認します。
メインにしようとしているイランイランは、独特のエキゾチックな芳香を持った、香りの王様。
ふくよかで艶やか、官能的な香りが特徴です。
しつこくないんだけど、白い花のイメージ。そして、なんとも言えないクセになる刺激臭があります。
この白い花のイメージと、ウィンターグリーンによってより濃厚にするフローラルのミドルノートを、爽やかに香らせるために、シトラスを使います。
なんとなくサンダルウッドが合いそうですが、今、手元にありません
ベルガモットとレモン
まずはベルガモット。
上品な花の香水を作りたい時、活躍の多い精油です。
ベルガモットはシトラスオイルの中で、一番明るい華やかさがあります。
それはリナリルアセテートという成分を含んでいるから。
これはラベンダーにも入っていて、ラベンダーとも相性がいい理由です。
アールグレイの香りづけに使われていることでも有名。
メディカルアロマとしては、鎮静作用や抗菌作用がある万能精油と言われていて、抗うつや肌の調子を整える時にも使われるようです。
香り初心者のころは特有の苦味が苦手でしたが、これがなんとも言えず高級感を醸し出していると今は感じます
シトラスなので持続性はないのですが、トップノートとして、たくさん入れていいですね。
ただし、肌に直接塗布する場合は、直射日光に要注意の精油です。
光毒性があるため、「色素沈着(シミ)」や「炎症」などの皮膚トラブルが起こることがあります。
香水を作る際の、香料の一部として使う場合は、規制で決められている量を守っていればあまり気にしません。
光毒性の原因となるフロクマリンを除去したオイルも出回っています。
一度試作してみると、ベルガモットだけではウィンターグリーンの刺激が強すぎたので、もっと明るさを足すために、レモンオイルを加えました。
レモンは、シトラールはもちろんですが、ゲラニオールというローズの香りに分類される成分を含有しています。
これはイランイランにも含まれているので、調和がとれますね
難しいことを考えなくても、イランイランの豊かな白さと、レモンの弾ける爽やかさが合う、とイメージできればOKです。
きっとウィンターグリーンのとがったキャラをほどよく丸めてくれるでしょう
ミドルノート
ミドルは、最初にイメージしたイランイランと、それを支えるウィンターグリーン。
あくまでイランイランを主役に、それをブーストする役割で。
ウィンターグリーン単品でムエットにつけて嗅ぐと、白い花のイメージが浮かびました。
でもイランイランと比べると、30分くらい経った時に、ミントのようなフレッシュさを感じます
そしてロングラスティング。
トップ、ミドル、ボトムと、オールマイティに強さをプッシュし、持続性を上げてくれそうです。
イランイランは華やか、ふくよか、セクシー。
ゲラニオールやリナロールの他に、ベンジルサリシレートやベンジルアセテートを含有しています。
ここらへんは確かジャスミンにも共通する成分。
そしてこのサリシレートが、ウィンターグリーンに感じた共通項でしょう
ふくよかさがありつつ、刺激的
ボトムノート
ボトムは何にしようかな、とクンクン。
あいにくドテラの白檀はまだ持ってないのです
今回は、フルーティな甘みとウッディー感を併せ持つ、奇跡の精油アーボヴィテに決定。
きっといい働きをしてくれることでしょう。
天然精油でフルーティってなかなかないのです。
タジェット、カモミール、ダヴァナくらいでしょうか。
ちなみにサンダルウッドで余談↓
ためしにメルカリで、インド系の会社の品質保証付きの精油を買ってみました。
が、絶滅危惧種のインド産サンダルなのにとっても安い。
5mlで2000円くらい
そして匂いを嗅いだら……おい〜〜、バクダノールみたいな合成香料系のサンダルウッドの匂いがするぜよ
はい、お金をドブに捨てました。
ということでみなさまは決して真似しないでくださいネ
ちなみに私はサンダルウッドオイルという名前で売られているアミリスオイルも大好きです。こちらはサンダルウッド・マイソール(インド産最高級品)と、セダーウッドの中間くらい。
入れるだけで香りの調和がとれてまろやかになるし、持続性もあがるので、天然精油で組む場合はとても使い勝手がいいのです。
サンダルウッドという名前ですが、白檀と違い、ミカン科。
ややこしいので良心的な販売者は、サンダルウッドアミリスと呼称するか、アミリスオイルと言っているかと思います。
調香
プラン策定の記載に時間を取られましたが、あとは調香。
今回は、1回目試作で、レモン無し、ウィンターグリーン3滴、アーボヴィテ2滴だと、湿布のような刺激臭がトップに来すぎました。
あと、木を削ったようなウッディーも強い
ということで2回目試作ではレモンを加え、ウィンターグリーンとアーボヴィテを減らしました。
楽天で購入した10mlアトマイザーに直接オイルをいれていきます。
失敗したらもったいないと思う人は、3ml小瓶などで、別に調合するといいですよ
<処方>
・ベルガモットオイル 10滴
・レモンオイル 4滴
・イランイランオイル 8滴
・ウィンターグリーンオイル 2滴
・アーボヴィテオイル 1滴
ただし、ミドルノートはウィンターグリーン多めの方が、華やかで目立ちます。
湿布臭嫌い!って方は1滴にして、刺激がお好きな方は、3滴など、お好みに合わせてください
あと、精油はその年の気候などによっても香りが若干変わったりします。
お手持ちの精油クンクンして、量を微調整してくださいね
このように、爪楊枝にオイルをつけて湿らせてから、オイルを伝わらせて1滴ずつ慎重に入れていくのがいいですが、適当に振りかけたい人はそれでOK
使い切るのが早いなら、アトマイザーはガラス瓶ではなく、扱いやすいプラスチックがおすすめ。
アルコールを入れて完成
今回は25滴なので、10mlアトマイザーに無水エタノールを満タンまでいれると、約12.5%のアロマ香水が完成です
手首にシュッとひと吹きして、香りの変化を楽しんでくださいね。
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