思い返せば彼という人の表情は大抵が笑顔だ。
そこにはもちろん
会心の笑顔もあれば
場の空気を悪くしないための
歪みかけた笑い顔もあったであろうけれど。
表情管理なんて言葉が近頃市民権を
得ているようだけど
結果的にたどり着くのが「笑顔」なのは
問答無用のアイドルという立場と
彼の優しい人柄ゆえかなと。
つまるところ
大雑把で失礼な推察でしかないけれど。
そんな彼が歌い出すのよ
「メーデー」と。
これは一大事中の一大事。
聴いてる側にとったって寝耳に水。
あんなに心のやわらかい彼が
断崖絶壁に立って
緊急事態を叫んでこっちを見てる__
何が起きてる? 何ができる?
思えば
顔と名前とさらけ出して
これはあれは?と感想を求められ
頭の中まで覗かれて
360°白昼の下に晒される生活。
なのに存在さえ知ってる知らない
好きだ嫌いだ言われて
挙げ句推してます、降りました
…いや知らんがなって私なら言っちゃうな。
そんな日常なら当然
心ここにあらずで呆然と
現場で無になっちゃう瞬間も
あるだろうし
感情のまま消え入りたい夜更けだって
幾度となく経験するでしょう。
ごめんね。
一個人で言えば
あなたを見つけて
木綿に水がしみ込むように
じわりじわりと好きになって
応援するようになったけど、
色んな人がそれぞれの道のりを経て
あなたに目を向けて声援を届けて。
そんな人たちの声は力にもなるけれど
同時に同じ大きさで負担にもなってたよね。
成長過程の若者が
何十万人の気持ちを引き受けて
歩き続けるって普通はありえない。
健康な人生でないことは確か。
そこは素直に申し訳なさを謝りたい。
矛盾はある。
お互いに、だけどね。
〝But you raise me up 僕の気も知らないで〟
それはもうおっしゃる通り。
やっぱりいつもいつでも
あなたがたを応援してしまう。
「好き」を錦の御旗にして。
ごめん。
そっとしておきたい気持ちも無くはないのよ。
ただ…ここ数年はちょっと難しいかな。
二人がエンジンの出力を上げ続けてる間は。
〝あと5分だけ〟も
〝この日々だって幸せだって泣きたいくらいわかってるから〟も
優しいなって
すべて飲み込んでくれてる詩だなって
ほろっとする。
〝見知らぬ光〟は
物理的に当たるまぶしいライトとも
無責任な世間の注目や
浮世の栄光とも思え
その光の強さを体験しようもない身としては
切なさを慮るしかなく
尚更返す言葉もない。
でも
でもね
あなたが、あなた達がもたらしてくれた
喜びは
信じられないくらい多くの人の
毎日の推進力になってるんだよ。
何万という人が
足掻くことをあきらめないための。
そんなこと
賢明なあなたはもう
とっくの昔に知ってると思うけど。
優しくて大きな決断をしてくれたあなたなら。