2010.11.08の日経ビジネスの第一特集は「うちのエースはアジア人 日本人には頼らない」。日本企業の中で活躍するアジア人にフォーカスした特集だった。日経ビジネスは今年の夏くらいから、日本衰退論、没落論をやっと特集し始めたが、それから日本ヤバイ的な空気の誌面作りをしている気がする。

感覚的には「何を今さら」という思いもあるが、日本を代表するビジネス誌が堂々と日本破産チックなことを言い始めたことには、イヨイヨ感がある。

日本人はグローバル化しないと言われるが、グローバルな資本主義社会でサバイバルのために、本当は海外に出る以外に活路を見出せない業界・企業は多い。理由は簡単、戦っている世界が縮小するからだ。


その中で、草食日本企業の生存能力という議論も場合によってはあるかもしれないが、個人ベースでは企業の内部で肉食系「ガイジン」と草食系「日本人」の競争が激化するのも真である。この時代に日本人だけ特別優遇していたら、優秀なガイジンはやってこないのだ。

そもそも2010年にもなって、日本人のポストがガイジンにとられる的な議論自体が非常に内向き。日本人、日本企業は鎖国してたんですかい?草食組織が食料がどんどん減っていく環境で、肉食の競争世界で戦うために、肉食動物を組織に入れて戦力強化を図った結果、組織内の草食動物が危機に瀕する。そんな感覚なのかね。


いつの時代も強者は常に強者なわけではない。戦いのルールさえ変われば、恐竜だって絶滅してしまうのだ。絶対王者と思われたマイクロソフトやグーグルだって、ちょっとしたルール変更を持ち込まれたら、その座に留まることが難しいのが現実だ。


話を元に戻そう。企業が利益を出し、成長するのに社員の国籍がどれほど重要なのだろうか。雑誌としては、草食化著しい日本人読者への啓蒙という意味では評価できるのかもしれないが。。

最近の日本国・日本企業・日本人は、どんどん競争力がなくなり、存在感がなくなっているネガティブ文脈一色だが、世界で戦う肉食系日本人は全然いないのだろうか?クリエイターやパフォーマー、スポーツ選手レベルでは個として世界で競争できる人間がいる。


しかしそれよりも圧倒的な人口がいるはずのビジネス分野では、あまりにもお寒い状況だ。

「フォーチュン誌の上位500社クラスで、日本人は(日本国籍の企業以外には)1人の取締役会メンバーも輩出していない。」

衝撃的だ。どれだけ内向きなのだろうか。一応ちょっと前まで世界2位の経済大国だったはず。それでどうしてワールドクラスの経営者がいないのだろうか。


ビジネスではなぜ大リーグに行く日本人が圧倒的に少ないのか?

「1億総草食化」

これからも、この言葉をキーワードに色々と考えていきたいと思う。


個人的にこの先には、草食動物がリアルに絶滅する程の、とてつもなく恐ろしい未来が待っていると予見している。


強い奴が常に勝つわけではない。環境の変化に対応できる奴が勝つのだ。


このダーウィンの適者適存の金言を忘れることなく、サバイバルすることが求められている。