先日コラムで一人の女性を愛した平安の貴公子ということで、『落窪物語』から右近の少将・藤原道頼を紹介しましたところ、『落窪物語』現代語訳が書店でみつからない、というお話をうかがいました。
そこでこれから私なりに解釈した『落窪物語』を掲載していこうと思います。
原本は四巻あるそこそこ大作です。
ちょっと長くなると思いますが、気楽にお付き合いください
また「ブライダルリングを買うということ」「名工の業」なども間にはさんで、掲載しようと思います。
さてこの『落窪物語』、作者不詳となっておりますが、名もない下級貴族の男性が書いたといわれています。
ですから原本ではかなりえげつない話などが多いのですが、雅な王朝文化においてのシンデレラ・ストーリーですので、その辺はオブラートに包んだ感じでお送りしたいと思います
西洋の『シンデレラ』と違うところは、貴公子と結婚してメデタシとは終わらないところです。
夫となった藤原道頼が意地悪な継母に復讐していきます
最後には和解しますが、その後の話も描かれていて、あまり面白くないので、大団円というところで終わりにしようと思います。
原本では第四巻の中頃で終了ということになるかと思われますが、しばしの間平安の物語に耳を傾けていただければ幸いです