源氏物語を彩る男性たち ~『冷泉帝(れいぜいのみかど)』 | YUKARI /紫がたりのブログ

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本日は源氏の真の第一子『冷泉帝(れいぜいのみかど)』をご紹介しましょう。


紫がたりのブログ-冷泉帝

この帝は桐壷帝の第十皇子とされていますが、源氏と藤壺の中宮との不義で生まれた子です。


その容貌は光るほどに美しいといわれる源氏に瓜二つ。

そして明晰な頭脳と絵をたしなむところも源氏と一緒でした。


藤壺は愛する我が子を見るたびに罪に苛まれたことでしょう。


桐壷帝が退位すると、次の帝は朱雀帝になります。

弘徽殿女御が太后となり、右大臣側が力を増すことは目に見えています。

そこで桐壷帝は藤壺女御を中宮とし、その若宮を次の東宮と定めました。

そして若宮の後見として源氏を指名します。


源氏は父帝に命ぜられるまでもなく、ことあるごとに若宮の元を訪れ、心からこの若宮を守っていくことを誓います。

源氏の愛を感じ取り、若宮も源氏によくなついて頼りにしていました。


冷泉帝として11歳で即位し、数年したころから天に異変の兆しが見られるようになります。

昨日の朱雀帝のところでも指摘しましたが、天変地異は帝の不徳とされた為、冷泉帝は思い悩みます。


その頃に太政大臣(かつての左大臣で葵の上の父)が身罷り、母である藤壺の入道(出家した)も病をえて亡くなります。

ますますただ事ではないと思われますが、帝にはなんら思い当たることがありません。


母の弔いに徳の高い僧都を招き、母を偲んでいると、僧都が帝に驚くべき真実を告げます。

それは冷泉帝の真の父親が源氏であるというあの秘密です。


帝は混乱しながらも実の父親がまだ生きているという喜びを感じずにはいられません。

そして臣下の子である自分が帝位についたことが天変の要因であると得心します。

帝は異国の文献など紐解き、過去に臣下に下ったものが再び親王の位を得た例がないか探します。

そして源氏に位を譲ることをほのめかしますが、源氏は固辞します。


ここに至り源氏も帝が真実を知られたことに気付くのです。


帝は源氏に准太上天皇という位を与え、言葉には表しませんが孝行をつくそうとします。


真実を知った時の帝の御心はどれほど乱れたことでしょう。

この帝は聡い方なので、桐壷帝や母と源氏の苦悩なども思いやったに違いありません。



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