マーキスカットは変形ダイヤモンドのなかでもかなり上級者が好まれるアイテムです。
この形状からしてデザイナー泣かせの形でもありますが、普通に横置きにしたり、カーブを描いた腕にそって斜めにセッティングするのでは面白味に欠けます。
このユニークな形を活かすには正々堂々()縦置きのセッティングに挑戦することが私の課題でした。
地金(腕のベースの素材)はピンクゴールドを指定されました。
ピンクゴールドは日本人の肌色によく馴染むやさしい色合いを持っています。
またどこかアンティークな雰囲気があり、とても品よくダイヤモンドを引き立たせます。
私はこれだけのダイヤモンドにつけるデザインとして、古くさいイメージになるのは絶対に避けたいと思っていました。
ですからシャープでエッジをきかせた腕に、これまたシャープな形のバケットタイプのメレダイヤを両脇に配しました。
強度の関係から腕の太さをみましたが、マーキスは縦に長いので、とてもバランスよく、ごつさのない仕上がりになりました。
また座の横顔もVラインを出すよう心がけたので、古くさいイメージは感じられません。
デザイン画と変わらぬイメージで作り上げて下さった職人さんたちにも感謝しています。
今回私がデザインした2点は、『芝翫香』本店さまに置かれます。
昨日のガビ氏のコラムで変幻自在のカットとはいかなるものか、とご質問いただいたので、『芝翫香』さまのホームページをご案内いたします。
蓮の花を思わせる美しいカットのダイヤモンドが掲載されていますよ。
大阪 芝翫香本店 http://www.shikanko.co.jp/jewelry/gabi.html