こんにちは。
これからは着物や帯に描かれている和の吉祥文様について時折コラムを書いていきたいと思います。
今回は『青海波』について・・・
『青海波(せいがいは)』とは、聞きなれない言葉でしょう。
しかし、この模様・・・
と見れば、ご存知の方も多いはず。
穏やかに凪いだ海の波を表しています。
この文様は実は“獅子狩文錦”同様、ササン朝ペルシアからシルクロードを経て、我が国に伝わったものです。
日本は四方をぐるりと海に囲まれ、その恩恵と脅威にさらされてきた国です。
それゆえ波を表現する文様も多種多様です。
例えば大波、小波、白波、立浪・・・波を丸文におさめて海を表す波の丸などもあります。
青海波は、恵みに対する海神(わだつみ)への感謝と平穏をもたらしてくれるようにとの祈りが込められた文様です。
少し前NHKドラマ「ゲゲゲの女房」で、主人公が祖母から譲られた着物を着る場面がありました。
その着物の柄こそ『青海波』。
「この文様の穏やかな波のように人生をおくれますように」という思いがこめられたものでした。
母から娘、またその子へ・・・
そうして日本の“和”の文化は受け継がれてきました。
この文様を見かけたら、ふとそんなことを思い出してみてください。
