ウェールズの少女 Une fille de Pays de Galles | ゆばー*短歌* ≪Ecoute! Ecoute! C'est Ondine≫

ウェールズの少女 Une fille de Pays de Galles

さすらうことについてしばらく考えていたので、
ウェールズ地方を旅行した時に出会った女の子のことを書いておこうと思います。

Je parle aujourd'hui de mon voyage en Pays de Galles.
J'y ai rencontré une fille d'environ 10 ans avec deux petits frères.
Elle m'a dit qu'elle etait gitan. Je me trouve heureuse de la connaître.

ウェールズ北部に、コンウィ(Conwy)という、古い城塞と城壁に囲まれた小さな町があります。
私はその近くの町(名前を忘れました)のユースホステルに滞在しました。

観光案内所からそのユースホステルまでは800mと言われたのですが、一人で(また?)迷ってしまいました。
そのとき一人の女の子が声をかけてくれました。10歳くらいに見えました。二人の弟の手を引いていました。

彼女は、ユースホステルまでの道を知っていると言い、悪い子だという気が全くしなかったので、
一緒に行くことにしました。

私は今でも英語が(も)ものすごく下手なのですが、このとき起こったことは、多分、私が使った二つの単語
"traveler"と"youth hostel"が、彼女にとって別の意味を持った言葉だったから起こったことなのだと思っています。

話を続けましょう。途中で弟たちを遊ばせるからと言って、まず公園に行きました。
そこで弟たちが遊んでいるのを見ながら、彼女が突然、「私もジプシーで(どんな表現を使ったか忘れてしまいました。
私の頭の中でジプシーと変換されています。)、私も悪いことをしたことがあり、いつも警察(?)に見張られている。」と言い、
足首につけられた輪っかを見せてくれました。そのせいで、一定の地域を離れられないのだそうです。

「私もあなたと同じように」という意味のことばと、足にはめている輪っかがおもちゃには見えず、
違和感は感じていましたが、なぜか大丈夫だという絶対の自信があり、それ以上に彼女のことをもっと知りたく
なっていたので、公園を出て、いっしょに大きな道をひたすら歩き続けました。

一時間くらいたっても着かないので、800mなんだけどなーとのんきに考えながら、彼女に、
「あなたも迷ったのかもしれないから、この辺にユースホステルがあるか、私が他の人に聞いてみますね?」と尋ねると、
「もちろんいいよ。」と少しも不快な顔をしなかったので、また少し歩き、お姉さんを見つけて尋ねました。
その女性も「ホステルならもう少し行ったところにある。」と答えましたが、私たちを不審そうに見ました。

しばらくして、塀で囲まれた大きな施設の隣に、小さな建物が見えました。
ジプシーだと言うその少女は、その小さな建物を指さして「あれがホステルだ。」と言いました。
そして、彼女の家族が近くにいると言い、私が「ありがとう」と言うと、去ってしまいました。
彼女の向かう方には、大人が何人か乗った車が止まっており、こっちをじっと見つめていました。

さて、示された小さな建物のドアを開けて中に入ると、なぜか私を待っていたように迎えられました。
さらに、荷物を適当に置いて、まず食事をしなさいと言われました。まだ夕方だったし、空腹でなかったので、
「食べたくありません。」と言うと、「他の人はみんな食べ終わっていて、今しか食べられない。」と言われました。
見ると、一枚のお皿に、じゃがいもとひき肉が混ざったお料理がどちゃっと盛られていました。
一口食べてみたらおいしかったので、きれいに食べてしまいました。

それから、事務室のようなところで、迎えてくれた人々と話してみると、
どうも待っていたのは男の子だったようで、名前も違うという話になりました。

私が「ここは本当にユースホステルなんですよね?」と、ついに聞いた時、その場にいた人はみな、すごく驚いて、
それから爆笑しはじめました。その後、ご飯を全部食べてしまったことを謝って、車でユースホステルまで送って
もらいました。目的地は来た道をずっと戻って、観光案内所のすぐ近くにありました。

私が最初に行ってしまったのは、昔で言う「少年感化院」のような場所(あるいはそれに関わる施設)です。
大人の女性には見えないのは理解しているのですが、20歳はゆうに超えていました。

でも私は、あの時あの少女に会えて、よかったと思っています。
あんなまっすぐな目をした少女に、それまで会ったことがありませんでした。
それに多分彼女と私は、お互いの中にある似たものを感じとっていたのだと思います。
少なくとも今でも、私の心の中に彼女がいることは、とても大きなことです。

でも知らない人について行ってはいけません。

Con te partiro'♪
yuba---*

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