森田芳光監督の最新作「わたし出すわ」。
僕が森田監督作品でイチバン好きなのは「(ハル)」なんですが、今作はそれ以来の完全オリジナル作品。
まだまだ彼の感覚は錆びれてません。やっぱりこうでなくっちゃいけない。
女神のような振る舞いをする(人によっては魔女のような仕打ちを浴びせられるけど)主人公を小雪が見事に演じている。正にハマリ役。
彼女を取り巻く共演陣もイイ味出てる。中でも欲の無い主婦を演じている小池栄子がバツグン。それと久々に大好きな小山田サユリも見られたし。
ただ森田芳光の最高傑作かと問われると…何か足りない。これだけ褒めといて何だけど。ハードル上げ過ぎちゃったかなぁ。
もう1本は愛媛県出身の冨永昌敬監督の「パンドラの匣」。
冨永監督の作品を観るのは「パビリオン山椒魚」以来。あの作品も不思議な作品でしたが、今作もなかなかなモノ。今年何本も公開になっている太宰作品の中でもかなり異色なんじゃないかな。
主演の染谷将太、ヒロインの仲里依紗も素晴らしかったですが、それ以上にもうひとりのヒロイン役の川上未映子が期待以上。
セリフ回しが変わっているせいもあるんですが、作品全体の雰囲気が彼女にピッタリ。今後役者をやっていくのかどうかは分かりませんが、ぜひ続けて欲しい。
さあ、これで今年の注目作品はひと通り観終わりました。あと数本をDVDで観て、ベストテンを決めたいと思います。