「…あんま話さないほうがいいわね。」
 
舞踏会の玄関前に着き、シンデレラに忠告する赤莉。
 
「お…おぅ。おしとやかに…だな。」
 
「シンデレラさん、喋り方が変ですよー。
 
あっちなみに、その魔法は0時までしか持ちませんからね。それまでにはケリをつけてきてください。」
 
「0時まで!?ちっ使えねーな。
 
まぁいいや。ほんじゃ、ちょっくら行ってくるわ。」
 
玄関の方を向き直して、両手で力強くドアをあけて中に入っていったシンデレラ。
その姿を見ながら
 
「…結局、狼については聞けなかったし。」
 
とボヤいた赤莉であった。
 
……………………………
 
 
 
お見送りをし終え高台に上がり、舞踏会が見える位置でくつろいで、シンデレラをみていた赤莉。
 
そろそろ、また北を目指して旅に出ようとした時だ。
 
「ありゃりゃ、あの口が悪そうな女の人、舞踏会に行っちゃったんだ。
 
もしかしてだけど王子様に会いたくて…とか?」
 
…行き倒れていた奴だ。
まさかまた見ると思っていなかった赤莉は顔をしかめた。
 
 
「…………まだいたの?」
 
「ちょっと留守にしてただけだよー。
だって俺は案内地図の役割でsh「で?どういう意味かしら?」
 
 
「話折らないでよ…
いやね、あの王子様いい噂聞かないから。
 
ってかね、ここの王子………」
 
 
「………………は?」
 
 
………………………………
 
その頃のシンデレラ
 
「うわっうまそーなもんばっかだな!!
…持ってかえりてぇ!」
 
王子ではなく食べ物に気をとられていた。
 
そこに現れる黒い影。
 
 
「はは、お転婆なお姫様だ。ねぇ僕と一曲どぉですか?」
 
高貴な服を身にまとった男がシンデレラの前に立った。
シンデレラは彼を見た瞬間、動きが止まった。
 
 
「えっ………っ!?…お……王子!?
 
えっ…えっ!!?おr、じゃなくて、わ…わたしと、ですか?」
 
「ふふっそんなかしこまらなくてもいいよ。僕的にお転婆そうな君の方が好みだからね。
ねぇお姫様、踊っていただけませんか?」
 
シンデレラの前に跪き、片手を差し出す王子様。
 
シンデレラの性格は本当にお転婆で男まさりだが、容姿はすごく綺麗であり、端からみてまさしく絶世の美女。
今この光景も本当なら女性達は妬むだろうが美男美女の絵図でありそれどころかうっとりするほどであった。
 
 
「……お願いします////」
 
照れながらも王子の右手にソッと手をおくシンデレラ。
 
そんなシンデレラは夢にも思わなかった光景で今夜は素敵な夜になるだろうと考えていた。
 
………………………………
 
 
「…死体愛好家?
随分変な趣味してるわね。」
 
「まぁねぇ。だから神隠しはね、王子が原因なんだ。気に入った女性を、自分の城の地下に連れて行って保存してるんだよ。」
 
なんと気持ち悪い。
そんな男がこの国の頂点でいいのか疑問だ。
 
「…よく知ってるわね。」
 
「そりゃぁ伊達に旅をしてるつもりはないからね。裏の話は結構情報入るよ。」
 
得意気に笑って赤莉をみる。
 
「…。
 
 
 
………今から舞踏会に行くんだけど…ついてくる?」
 
 
 
「えっお誘い?めっちゃ行く行くー☆
パーティーってご馳走すごいしねぇ。
 
うわー…でも師匠が誘ってくれるとは…
うれ「やっぱ来なくていい。」
 
えー!??うっそ!?あっ…まってよー!!!」
 
 
 
「お前赤莉っていうのか。私はシンデレラ。よろしくな。」
 
何故かシンデレラの家にお邪魔し、
お茶を飲んでいる赤莉とシンデレラ。
 
そこにさっきまでいた男の姿はない。
(あんなに私にまとわりつくようなことしてたくせにね。
 
 
まぁもぉ二度と会わないからいいか。)
 
お茶をくぃっと喉に通す。
そしてふっと気になったことを口にした。
 
「…ねぇ、この村って神隠しがおきているんでしょ?どうしてシンデレラは知っていながらここにいるの?」
 
「いや、別に理由はねぇよ。
それに私の手にかかれば連れ去るソイツが熊であろうがぶっ倒してやる。」
 
「あー…そぉね。あなたなら勝てそうだわ。
じゃぁ私の勘違いね。
あなたもてっきり王子様に会いたいからかと思ったわ。」
 
ブーッ
 
飲んでいたお茶を吹き出したシンデレラ。見る見るうちに顔が赤くなる。
 
「っ…!?////」
 
 
………………え?
 
真っ赤になるシンデレラ。
だれもこんな事態を予想していなかっただろう。
 
「……まさか「シンデレラー!!」
 
そんな赤莉の声を遮ったのはシンデレラの義理の姉。
 
「なんだ姉さん、いつもの倍に厚化粧しちゃって。」
 
「あ…厚化粧ですって!?…っ…まぁいいわ。シンデレラ。今から舞踏会に行くの。あなたはここのお留守番をしてちょうだい。」
 
「だれもこんな家に入んねーよ。
まっ食いもんいっぱい持って帰れよ。」
 
「口の減らない子ねっ。まぁいいわ。
じゃぁもぉ行くからお願いね。」
 
いそいそと髪をセットし、継母と一緒に家を出ていった。
 
「お前らなんか誰も相手にしないのになぁ。
まっこれでゆっくり出来るか。」
 
 
「シンデレラも舞踏会に行けば?
王子に会いたいんじゃないの?」
 
「……ばっばかいうなよな//別に会いたいとか思ってねぇし。
ってかドレスも持ってねえのに行けるか。」
 
「僕が魔法をかけてあげるよ。」
 
 
いきなり目の前がキラキラと光りだした。
 
そこに現れたのは幼い少年。
クルクルの癖っ毛の頭に体は黒いマントに
身を包む少年。
「僕がシンデレラをキレイにしてあげる。」
ニコッと笑顔を振りまいた少年。
一方シンデレラは…
顔をしかめる。
 
「おぃおぃ、子どもの遊びには付き合ってらんねぇんだよ。」
 
「ぼっ僕は本物の魔法使いだ!!」
 
「…あんま見えないわね。」
 
可愛らしい少年であるため、誰もが疑ってしまう。
「もっもぅ!なら証拠を見せてやる!
 
ビビデバビデブーッ!」
 
 
「ぶっ…」
「っ…」
シンデレラと赤頭巾はその魔法の言葉にふいた。
 
するとシンデレラは白い光りにいきなり
包まれた。
 
光りが消えた瞬間、シンデレラはキレイなドレスを着ていた。
 
「わっすっげ!!」
 
「これでわかったかぁ!」
 
「あ…あぁ。バカにして悪かったな。
ありがとな。こんなに綺麗になったの初めてだ。
赤莉……わたしは似合っているか?」
 
「シンデレラ…
 
あなたすごくキレイよ。
 
まぁ話さなかったらだけど。
大人しく、清楚に振る舞ったら王子もイチコロじゃない?
舞踏会で一目見てきたら?」
 
「お…おぅ。
そうだな。せっかくキレイにしてもらったしな。
 
おぃ、少年。舞踏会まで送れ。」
 
 
「うわっ人使い荒いお姫様だなぁ。
了解しましたよ。あなたを舞踏会まで
お送りしましょう。」
 
 
 
ひたすら北を目指し歩いていると
ようやく村にたどりついた。
 
「ここは…「シンラの村だよ。」
 
「…シンラ」
 
「そぅ。貧しいでも有名かなぁ。
昔はそんなに貧しくなかったんだけどね。ここ数年、娘が度々攫われているらしい。
今じゃ神隠しの村とも呼ばれているからね。
それからかな、みんなこの村には居られなくなって、村を出ていっているらしいね。
まっ、城に、王子に一目でもっていう娘たちはここの村から離れてないらしいけど。
 
でもなぁここの王子……まっこれは関係ないか。」
 
「へぇ…詳しいわね。」
 
まさかここまで詳しいとは思わなかった赤頭巾。少しながら、関心してしまった。
 
「えっ!?なになに!?俺役にたっちゃってる!?」
 
「……。まぁ「くっそ。マジ役立たねー義姉。」
 
なんだ。口が悪いが、こちらの話に少なからず合っている女性が地面を蹴っていた。
なんとお転婆な女性なことか。
 
「継母もだよ。義姉ばかり可愛がってちゃ、デブでブスの甘えたちゃんになって、どうしょうもなくなんのによ。躾がないんだよ。
化粧の濃いババァのくせしてよ。」
 
…口が悪すぎる。さすがにいいすぎな気がする。裏でこんなに言われている継母たちも可哀想になってきた。
ジッと女性をみていると、視線に気づいたのかバチっと目があった。
 
「…なんだ旅人か?この村はいいもんねぇよ?
なんたって神隠しの村だからな。」
 
「…狼を探してるの。この村は襲われていないかしら?」
 
「おまっ…そんな可愛い顔して、狼を狩ってんのかよ。すげぇなぁ。
ちょっと家に寄っていけよ。」
 
「いや…ただ狼…「シンデレラ!!」
 
家に引きずりこまれそうになった時、バンと音をたててドアが勝手に開いた。
そこから顔を出したのは、貴族のようにキレイなドレスを着て、髪はアフロ…いや、貴族らしい髪型。そして厚化粧をした継母だった。
(これはバカにされても仕方ないわ。)
 
「あなた、まだ廊下磨きと洗濯が残ってるじゃない!はやくやりなさいよ!!」
 
「おいおい、義姉が汚してる廊下は自分で磨けって。洗濯も、あんたらがそんなモフモフのドレス着てんから洗剤がすぐなくなっちまうんだよ。家にいるときぐらいそんな暑っくるしいの着るなよ。見ててウザったい。」
 
「………。」
 
「なっ!!あなた母親の私に口答えするの!?
ここに住んでる分、働きなさいよ!!」
 
 
「はいはいはいはい。やりゃぁいいんだろ。
 
あっお前らお茶していけよ。」
 
「シ…シンデレラ!だれが家に居れていいって…「黙れババァ。」
 
シンデレラと呼ばれる女性は、赤頭巾の腕を引いて中に居れる。
もはや赤頭巾の意見は無視。
 
 
(…生きて出てこれるのかしら) 
 
 
「シンデレラーー!!!!!」