王子の首元に鎌を刃がスッと当たっていた。

王子は一瞬にして顔を真っ青にさせ、身動きが出来ない状態であった。

「だ…だれだ!?」

「まさか王子のあなたが神隠しの犯人とはね。

この国も終わりね。」


王子の後ろから鎌を持って話す赤莉。


「あ…あか…り?」

聞いたことのある声に閉じていた目を開ける。

「シンデレラでもやっぱこんな卑怯な薬を使う奴には負けてしまうわ。

だから助けにきたの。
狼以外を狩るのは始めてだけど、こんな悪趣味な王子を殺すのは、さほど躊躇いはないわよ?」


笑いながら、王子に死を宣告する。

「ははっ…僕は王子だぞ?
王子を殺したらどうなるかわからないのか?」

体が震えているにも関わらず、朱莉を脅す王子さま。

「あら、このお人形さんたちを、人民に見せても私が悪いとだれが思うかしらね?


…やれるものならやってみなさい。
私にはやるべきことがある。この国のみなを殺してでも。」


「…っ!」

手に持っていたナイフがスルリと手から離れ、地面に落ちる。
王子は膝をつき、金縛りにあったように動かなくなった。


「残す言葉はそれで終わりかしら?
じゃぁさようなら。
あの世で後悔するのね。」

鎌を持っている手に力が入り鎌を引こうとした時、


「あ…赤莉!


…待ってくれ。王子を…殺さないでくれ。」

シンデレラの声で動きが止まる。


「どうして?いくら好意があったとしてもシンデレラを殺そうとした奴よ?

報いはうけるべきだわ。」


「まぁ…な。
こいつがやったことは罪であり、
決して許される行為ではない。

しかし、こいつを殺すのも違うと思う。

……だから王子、あなたはこれからその殺した奴らの罪を償ってほしい。」

「ど…どう……やって?
僕には…もう力なんて……ない。」


「そぅだな。まずはこの国の復興を目指し、神隠しと呼ばれることがもうないように。
また、この国がもっとよくなるよう努力からだな。」

神隠しと呼ばれ、だれもがこの国にこない。噂とはどこまでも広がり、立ち直すにも時間がかかる。
だからなのか、シンデレラはこれを提案する。

「…でもシンデレラ。甘いわ。
この男がそう簡単に動くとも、思えない。」

まだ納得いかない赤莉は鎌を王子の首から動かすことなく、シンデレラに問う。

「あたしは出来ると思う。
だって王子はあたしを助けてくれたのだから。
王子は覚えていないだろうが。こんな性格だからな、友達と呼べるものがいなかったあたしに、始めて声をかけて、遊んでくれたのが王子だった。

嬉しかった。あの時にあたしには心の支えでもあった。
いつからか恩返しがしたいとも思ったさ。だからこの国を出る事が出来なかった。


一度道を誤っても、あたしや仲間がいれば、今度はこんなことを起こしたりしない。
次こそ、あたしがお前の支えになってやる。

さぁ、半分は背負ってやるから、頑張ってみないか?」

ゆっくりと立ち上がり、王子に手を差し伸べた。





はぃ!シンデレラ編、次の更新で終わりたい!笑
早く次の章に入りたいっ!笑笑

亀更新ですが暖かく見守って
くださいな( ;´Д`)
「お目覚めですか?お姫様。」

後ろから声がして振り返るシンデレラ。
「……お、うじ?」

眩暈が続く中、目の前にいる人物を目を細め見つめた。


「あー、薬がまだ効いてるのかな?
薬多かったみたいだね。いやー君みたいな子は、逆に効きずらい時があるから、多めにいれちゃった。ごめんね?」

王子が近づいてきて、シンデレラの頬を撫でる。

その行為に背筋がゾワリとしたのは言うまでもない。

「……クスリ?…何をした?」

頬を撫でている手を払い、力のある限りで睨む。

「ハハッ。それそれその目、初めてでゾクゾクするよ。他のみんなは恐怖や色恋の眼差しばかりでつまらなかった。やっぱり君は違うね。殺すのがもったいないや。」

ころすのがもったいない?
ころす…コロス…殺す!?

「…っ!?」



「あー、ダメだよ。逃げちゃ。そうだな。君には見せてあげる。
僕のコレクション。」

そういいながら後ろの長いカーテンを引っ張ると、バサリと布が床に落ちていく。そして奥の部屋が見えた。


「…なっ!!??」

シンデレラが目にしたものは、人間と同じくらいの人形。着飾ってはいるが何かがおかしい。顔がやけに色白い。
本当に人形なのか。





いや…人形ではない?






『みんな恐怖や色恋の眼差しばかりで…
殺すのがもったいない』







まさか!?
「っに…んげん?」


「うん。僕のコレクション。深い眠りにつくかわりに僕が可愛がってあげてるのさ。
毎日毎日着飾ってみんなとお茶したりね。

そろそろ退屈になったからまた仲間を増やしてあげようと思ってね。パーティで探してんだ。
そんな時君を見つけた。
君はみんなと違うね。何かが違う。ねえ僕のコレクションになれば、一番に愛してあげるよ?どう?」




…今まで神隠しといわれていた女性行方不明はこいつのせいだったということか。だから国はなにも対処しなかった、と?



「…狂ってる。

すまないが断る。そんなお仲間になる気はさらさらない。他を当たってくれ。」


「ハハッ。残念ながらそれは出来ないかな。」

王子の右手にちいさなナイフが持たれていた。

「大丈夫。痛くないようにしてすぐ可愛くしてあげるから。」


ニコリと微笑んでシンデレラに近づく。
「…っ!?」

咄嗟に動こうとするが、王子のナイフを振り下ろすタイミングに体が間に合わない。

シンデレラは死を覚悟した。
















「そこまでよ。死体愛好家の王子さま?」





「まずはシンデレラを見つけることね
。」

城に入り朱莉はシンデレラを探す。

「はーい、了解っす。でも師匠ー、俺らこの格好どぉかなぁと、思うんだけど。」

この格好…そう、朱莉は黒いフードの服。


ここは舞踏会。
もちろん正装で来るのが好ましい場所である。

十分に私たちはここでは不釣り合いな格好であった。

「仕方ないじゃない。ドレスなんて持っていないんだもの。
それに、だれもわたしなんか気にしないわ。」


朱莉は話ながらスタスタと中に入って行く。

「まぁこんなに人がいれば大丈夫っちゃぁ大丈夫かぁ。
しっかし師匠のドレス姿見てみたかったなぁ~。
生足とか最k...ゴフッ...」

何でだよ...と隣でつぶやきながらお腹を抑える彼。
それを余所にシンデレラを探した。


「シンデレラ、ここにいないみたいね。
...最悪。王子もいないわ。早く見つけないと。」

「なら、王子の居室かな?知ってるけど行く?」

なぜ彼がそんな内部のことまで知っているのか疑問に思ったが、今はシンデレラを助けるべきと思い、彼の誘導に頷き、従った。


_____

ギシ...とソファーの動く音がした。

「ん....?」
...寝ていた?
いつ?

舞踏会に来て王子に会って...



「あ!王っ...っ...」
踊っていたことを思い出して
ガバっ勢いよく起き上がるが、その瞬間目の前が歪み倒れそうになった。
とっさに前にあった机で体を支える。

頭がぼーっとする。
なんで?




王子と踊り...いろいろ話しをして...
それから......









それから?
いつ、こんな場所に来た?



「...っ思いだせねぇ。」

まだぼーっとする頭で考えるが、その後が浮かんでこない。
その時、


「お目覚めですか?僕のお姫様。」

「...っ!?」

背後から声が聞こえ、ビックリしながら振り返る。