小島秀夫が好き。メタルギアが好き。
デス ストランディング は何よりも楽しみにしていたゲームでした。
トレーラーを繰り返し観て、グッズも買い、コレクターズエディションの予約を済ませ、今か今かと発売日を待っていました。
我が家にデスストが来た時は、もう死んでも良い!と本気で思いました。
そんな日から数日が経ち、無事にクリアしたので感想を書いていきます。
期待値が高過ぎたせいか、残念ながらゲームとしての評価はかなり低いです。
◯良い点
●グラフィックや演出
PS4の新作ゲームは久々でしたが、グラフィックには驚かされました。主人公をはじめとした人物の描写がリアルかつカッコよく、また風景も細かいところまで作り込んであります。
映画のような演出も作品のルックを高めていて、すごい作品をプレイしている感が伝わってきました。
●キャラクター
有名な俳優さんや映画監督が出演しており、映画的な演技の部分は見ていて楽しいです。本当に演じている姿をゲームを通して体感することが出来ます。
◯悪い点
●UIが分かりにくい、見にくい
これはなかなか酷いレベルだと思います。50インチのテレビでプレイしていてもメニュー画面の文字が小さく非常に見えにくい。
またメニュー画面の表示内容自体がごちゃごちゃしていて分かりにくいです。
●無駄なアクションやムービー
BTエリアに入る度に5秒くらいのムービーが必ず入ったり、プライベートルームでもシャワー浴びるだけで3つくらいムービーが入ります。飛ばせてもめんどくさいですし、同じムービーを何回も見せるのはやめてほしい。トイレ大と小を分けるのもいまいち必要性を感じないし、無駄なアクションの強要が多い。
またエンディング付近では2時間くらいムービーが続きます。小島監督作品なので覚悟はしていましたが、相変わらず長いです。
●気持ち良いプレイができない
本作のキモである配達。移動距離もそこそこあり、荷物が多いとバランスをとるだけでも大変です。
しかし、景色が短調で途中での特別な面白みは皆無で、たまに申し訳程度に音楽が流れるくらい... さすがに苦痛です。しかも配達完了するとまたすぐ来た道を戻らされたり、さらに遠くに行く羽目になりモチベーションの維持が大変です。
●作品と合わないシステム
ソーシャルストランドシステムという、本作の特徴とも言えるもの。簡単に言うと一定条件を満たすと、世界中のプレイヤーたちの足跡やアイテム、建設物等がランダムに表示され、それを利用したプレイが可能になるものです。
ただし、一定条件というのが基本的にはそのエリアの配達を完了した後なので、恩恵を受ける機会は少ないです。ストーリー優先の方なら次の未開のエリアにすぐ行きますからね...
ストーリー推しの作品の割には、システムはサブクエストプレイヤー向き。親密度上げたり、サブクエストに興味が無い人間には関わりの少ないものでした。
●物語
好き嫌いの話にはなりますが、いまいち乗れないお話でした。小島監督は読書家でSF小説等も大好きな方なので、そうゆうタイプの方にはウケる話かもしれませんが、一般的にプレイしているだけでは面白い話だ!とはならない気がします。
またプレイ以外にもメニュー画面から大量の用語解説文のようなものが読める仕様にはなっていますが、やりたいのはゲームなので、そうゆうものに頼らなくても分かりやすく楽しめるようにして欲しかったです。
◯考え方を変えてみたが...
このままでは気になる点がどんどん増えていくので、小島監督視点で考えてみました 笑
小島監督といえば、何十年も前に、少ない表現力で戦争ゲームを作れ!という会社からのオーダーに、隠れて進む(ステルスゲーム)という新しい考え方でヒットを収めた方です。
今回はコナミから独立し、今までのように大ヒットシリーズだから許されるような人員も予算も期間も無かったと思われます。そこで逆転の発想で、少ない予算、人員、期間で作れる最大限の作品が今回のデスストなんだと感じました。
有名ハリウッド俳優の起用や声優陣の豪華さ等、話題性を重視した点に対し、移動と配送を繰り返すゲームシステム、荒廃した世界という設定により似たような景色の繰り返しで作りやすそうなマップ、人々は地下に住んでいて主人公が行けるのはどこも似たような配送センターetc... ゲーム内容やシステム的には複雑さを無くし、その分開発期間も短縮出来たように思います。
しかし、メタルギア誕生時と圧倒的に違うのは小島秀夫のブランド力です。
メタルギア発売当時、小島秀夫の名前で作品を買う人は居なかったでしょうが、今やあの小島秀夫です。世界の小島秀夫です。期待値が天と地ほど違うのです。
それ故に今回のデスストはその最大にまで膨れ上がった期待値をアイデアで勝ち抜ける程の斬新さはなく、非常に中途半端な作品という印象になってしまいました。