オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵の浮世絵コレクション展に行ってきました。


約200点の展示だそうです。
ワンフロアですが、作品数がとても多いと感じました。
一つ一つの作品に対してほぼ解説文があるので、読みながら絵を見ながら、確認にして読んでまた見てを繰り返すとあっという間に時間が経ってしまいます。
初期の浮世絵版画はあまり見ることがないので(希少であることと、有名でないので展示リストから外されがち?またはこれだけ大量に出品されることがないためか、さらっと流してしまいがち…)いい機会だと思いました。

北斎や広重など有名な版画がたくさん展示されている中で私が注目したいのは、発行した時期が異なる版画です。
本展では2作品紹介されていて、いずれも名所江戸百景の「大はしあたけの夕立」と「両国花火」です。
ぜひ2枚を比較しながら発行された当時の人々の思想や流行に思いをはせていただきたいと思います。
(私、単なる来館者で関係者でも何でもないんですけど…)
最初に摺った「初摺」とそれ以降に摺った「後摺」を同時に見ることはあまりないと思います。
在庫がなくなって増し摺りする際、全く同じように摺っていないものもあって、何らかの脚色がなされていることがあります。
次回同じ作品を見る機会があれば、これは初摺だろうか、後摺だろうか、とさらに一歩踏み込んで作品を見ることができます。
イメージの違いにぜひ着目してみましょう、新たな発見があります。

矢印は適切な表現ではないかもしれませんが、墨摺絵→紅摺絵→錦絵の変遷。
黄金期の鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川豊国、歌川国芳。
そして葛飾北斎の「冨嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」その他名所図会。
歌川広重の「東海道五拾三次」、「近江八景」、「名所江戸百景」、その他名所図会。

時代順に展示されていて非常に見やすかったですし、歴史を追えるので分かりやすかったです。

もう一つ興味深かったのが、「売立目録」です。
浮世絵を売却するために事前に作成される目録のことで、作品名や作者、写真などが掲載されています。
メアリー・エインズワースもこれを見て浮世絵を購入したそうで、破格の値段で購入した履歴が残っています。
アジアを旅行して浮世絵に出会い、浮世絵の収集を始めるなんてすごい行動力ですね。

 

とても良い天気だったので、通天閣を撮影しました。


館内の様子はこちらからどうぞ。
https://youtu.be/2HoyRmAnjIA

 

 

 

あべのハルカス美術館で開催中の「ギュスターヴ・モロー展」を見に行ってきました。

 

彼の作品は展覧会チラシを見るまで知らなくて、まずは書籍を読んで予習。

そして出品作品リストでどの絵画が出品されているか確認しつつ、内容を(できる限り)記憶して鑑賞日を迎えました。

 

ギュスターヴ・モローは19世紀のフランス画家。

個人的な感想は、彼独特の価値観、物事のとらえ方を万人にも分かるように描写したセンスに脱帽しました。

大衆が分からないものを抽象的に表現するのではなく、きちんとメッセージ性を持ってキャンバスに落としていく。

作画に対する感想(構想メモ)も残っているようで、何を表現したかったか、どういう心理状態にあって発想を得たかも記録が残っているようです。

西洋絵画は多くの場合、神話を参考に社会性のあるメッセージを表現したり、風刺したりしますので、神話を理解していればもっと楽しく絵画を鑑賞できると思います。

チラシの表紙を飾っているサロメをモチーフにした、《出現》。

非常に衝撃を受ける構図ですが、この形に至るまでに相当時間をかけたことが習作から伺えます。

斬新的ですが、とても魅せられる描き方です。

彼自身の言葉がたくさん残っているようなので、どういう思いでこのポーズになってこのように表現するに至ったのかを垣間見ることができます。

他にも《一角獣》、《セイレーン》など、彼の力強さを本物を見て体感したくなる作品が多く出品されていました。

《出現》はいくつかパターンがあります。

ヘロデ王の前で踊るサロメ》も同様の主題で現在はアメリカの美術館が所蔵しています。

冒頭に紹介した書籍の表紙は《ヘロデ王の前で踊るサロメ》の部分です。

《出現》だけでかなり美術史の幅が広がっていく。

こういう展覧会が記憶に残っていって、知識を少しずつ蓄えられていければいいなと思います。

 

大変面白い展覧会でした。

大阪会場の次は福岡へ巡回するので、機会があればぜひ。

 

16階の展望台(無料)からは大阪城も見えるので、天気の良い日はこちらで気分転換してはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

浮世絵ねこの世界展」を見に行ってきました。

 

国芳作品はこれまでにいろいろな展示会場で何度も見てきました。彼と彼の一門の作品が大半を占めています。

猫が好きな方にはとても興味深い展覧会だと思います。

猫を飼ったことがない私は、猫のちょっとしたポーズやしぐさについて共感できず、猫の行動はよく理解できません。

ただ猫の態度と言葉を掛け合わせた表現や文字の表し方に、絵師の遊び心やアイディアがたくさん詰まっていて

とても楽しかったです。

作品数は150点プラスαですが、動線がしっかり設けられており、混雑していなければゆっくり落ち着いて自分のペースで

観覧することができます。

江戸時代が主流ですが、明治期、大正期の浮世絵も展示されていて、外国から色が輸入され、表現が豊富になったこともあり、

色鮮やかな版画となっていました。

 

「猫」好きな絵師は多かったようなので、題材も豊富。

こういうテーマで区切って展示するのも新しい視点が得られていいですね。

↑フォトスポットにて。

様々な姿の猫が描かれています。

国芳の猫好きが画面からはみ出すくらい、たくさんの描写があります。