映画大好き、オレンジ時計です!

 

 今回紹介するのは、1976年公開の『犬神家の一族』。

 

 原作は、横溝正史の同名推理小説。監督は巨匠:市川崑。

 

 1970年代中盤からブームになった角川映画の初作品であり、大ヒットした。

 

 湖の水面から突き出た足のシーンや、菊人形の生首が転げ落ちるシーン等印象的な場面が有名だ。

 

 中でも白いマスクをかぶった主要人物である佐清(すけきよ)の姿は、記憶に残る。

 

 主題曲の「愛のバラード」も映画の雰囲気によく合っている。

 

 また、後に続く金田一作品シリーズの主人公である「金田一耕助」像を確立させた石坂浩二の出世作でもある。

 

 撮影は長野県上田市で行われ、当時の世相をよく表現できている。

 

 この作品のモデルになったのは、三菱財閥を作った「岩崎弥太郎」死亡後の相続問題と言われている。

 

 

『犬神家の一族』

 

監督:市川崑

原作:横溝正史

制作会社:角川春樹事務所

出演:石坂浩二、島田陽子、あおい輝彦、川口昌、坂口良子、原泉、草笛光子、大瀧秀治、岸田今日子、加藤武、高峰三枝子、三国連太郎

 

 

あらすじ

 

 昭和2*年2月、那須湖畔の本宅で信州財界の大物・犬神佐兵衛が、莫大な財産を残し死亡した。

 

 その遺産の配当や事業の相続権を記した遺言状は、長女:松子の一人息子:佐清が戦地から復員してから発表されることになっていた。

 

 佐兵衛は生涯正妻をめとらず、それぞれ母親の違う娘が三人、みな婿養子を取り更にそれぞれ息子が一人ずついたが、お互いが反目しあう仲だった。

 

 同年10月金田一耕助は、犬神家の顧問弁護士を務める古館恭三の部下:若林豊一郎から、犬神家の遺産相続について立ち合いをもとめられていた。

 

 那須に到着早々、犬神家に身を寄せている野々宮珠代の乗ったボートが沈みかかっているのを目撃する。犬神家の下男:猿蔵とともに珠代を救助する。

 

 ボートには穴が開けられており、珠代が何者かに狙われたのはこれで3度目だという。

 

 その後、金田一が旅館に戻ったところ、旅館で若林が何者かによって毒殺されていた。

 

 どうやら若林は犬神家の誰かに買収され、法律事務所の金庫に保管されていた遺言状を盗み見てしまったようだ。

 

 こうして、先行きに不安を感じる金田一は、古館の依頼で犬神家の遺産相続にたちあうことになったのだ。

 

 そんな中、ビルマの戦地から松子の一人息子である佐清が復員してきた。しかし、助清は戦争で顔に大けがを負っておりゴムマスクをかぶった姿で、遺産相続に臨むのであった。

 

 

 遺言状の内容は、以下のとおりである。

 

   『全相続を示す犬神家の家宝“斧(よき)”、“琴(こと)”“菊(きく)”の三つを野々宮珠代が佐清、佐武、佐智の佐兵衛の三人の孫息子の中から配偶者を選ぶことを条件に、珠代に与えるものとする。』

 

とういう内容のものだった。

 

 更に、珠代が相続権を失うか死んだ場合、犬神家の財産は5等分され孫息子は各5分の一ずつを相続し、残り5分の二を佐兵衛の愛人・青沼菊乃の息子の青沼静馬が相続することとなっていた。

 

 それを聞き及んで、三姉妹の憎悪と怒りは頂点に達する。

 

三姉妹は、かつて青沼菊乃にひどい仕打ちをしており、菊乃が所有していた「三種の神器」を奪い取っていった過去があったのだ。

 

 こうして三姉妹の仲はさらに険悪なものとなり、相続人となるため珠代に近づくその息子たち。

 

 一方、佐清に偽物の嫌疑か掛けられ、神社に奉納されていた手形との照合を迫られていたが、松子はこれを頑として受け入れなかった。

 

 そんな中、佐武が殺害され菊人形の頭部と入れ替えられるという事件が起こった。

 

 こうして、“斧(よき)”、“琴(こと)”“菊(きく)”の三種の神器を見立てて、血みどろの連続殺人事件が発生していくのであった。

 

 

 さて、今回の映画の紹介はいかがだったでしょうか。

 

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 是非ご覧になって欲しい作品です。

 

 

 ではまた、次の映画の紹介まで、お楽しみに。