今回紹介するのは、1971年公開のクリント・イーストウッド主演『ダーティーハリー』です。
『ダーティーハリー』
監督:ドン・シーゲル
配給会社:ワーナー・ブラザーズ
出演:クリント・イーストウッド、アンディ・ロビンソン他
サンフランシスコ市を舞台に、職務遂行のためには手段を選ばないハリー・キャラハン刑事が偏執狂的殺人犯との攻防を描いたクライムアクション映画。
1970年代のハリウッド・アクション映画を代表する作品の一つ。シリーズ化もされ計5作品まで制作された。
当時、マカロニウェスタン俳優としか認識されていなかったクリント・イーストウッドは、ダーティーヒーローものの典型となるこの作品でスターの地位を獲得する。
撮影前、主人公のハリー・キャラハン役には、超大物俳優にオファーしていた。
フランク・シナトラ、ロバート・ミッチャム、ジョン・ウェイン、スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン等のスター俳優達だ。
ジョン・ウェインは、現代劇であることと、主人公の性格や過激な描写から出演を断ったが、後にこの完成品を見てひどく後悔したそうだ。
また、犯人であるスコルピオは実在するゾディアック事件(未解決事件)の犯行を模倣しており、これもヒットした要因と思われる。
あらすじ
サンフランシスコのホテル屋上のプールで泳いでいた女性が射殺される。事件を担当するのは、ダーティーハリーと呼ばれるハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)。
狙撃地点に残されたメモには、「スコルピオ」と名乗り市警察に10万ドルを要求する。
応じなければ、カトリックの司祭か黒人の殺害を示唆する。
犯行を阻止するために市警察は市内全域に警戒態勢を敷くが、不審人物を逃してしまう。
犯人は、黒人少年を殺害した後さらに少女を誘拐、身代金を要求してきた。
市は10万ドルの支払いを決め、金の受け渡しをハリー刑事に一任する。
相棒のチコ・ゴンザレスが車で犯人を追跡する作戦だった。
身代金の受け渡し現場に現れたスコルピオは、ハリーを殺そうとするが、チコが駆け付け銃撃戦となる。
ハリーは隠し持っていたナイフをスコルピオの足に突き刺すが、辛くも逃げられてしまう。
犯人の足の治療した病院を手掛かりに、スコルピオの居場所を突き止めたハリーは、犯人の銃創と刺し傷を踏みつけ少女の居場所を吐かせたが、少女はすでに死亡していた。
さらにミランダ警告(注)を無視した逮捕と自白強要が違法とされ、また決定的な証拠もなく結局スコルピオは放免されてしまう。
その後、スコルピオの奸計により、ハリーは謹慎処分となる。
病院を退院したスコルピオは、銃を強奪しスクールバスをジャックする。それを追いかけるハリー刑事。はたしてスコルピオを逮捕できるのか?
(注)ミランダ警告とは
以下の4項目が被疑者に告知されてない場合での供述は公判で証拠として認められないとする原則である。
① 黙秘権の告知
② 供述は法廷で不利な証拠として用いられることがある
③ 弁護士の立ち合いの権利がある
④ 公選弁護人を付けてもらう権利がある 以上
ここからは、一気にラストシーンまでストーリーは加速していきます。
実際の映像でご覧になっていただければ幸いです。
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ではまた、次の映画の紹介までお楽しみに。