今回紹介するのは、1977年公開の山田洋次監督作品、『幸せの黄色いハンカチ』です。
監督:山田洋次
制作会社:松竹
出演:高倉健、倍賞千恵子、桃井かおり、武田鉄矢、渥美清他
『幸せの黄色いハンカチ』
北海道を舞台とした邦画ロードムービーの代表作です。
主演を高倉健がつとめ、倍賞千恵子・渥美清・武田鉄矢・桃井かおりなど素晴らしいキャストで臨んだこの作品は、シンプルなストーリーながら人々の心情に訴え、高い評価を得ました。
また、第1回日本アカデミー賞や第51回キネマ旬報賞をはじめ国内の映画賞を総なめにしました。
元々はアメリカの「ニューヨーク・ポスト」紙に掲載されたピート・ハミルのコラムをベースにして、製作に臨んだがハミル側の代理人によると、「ハミルは日本に対し、あまり良い印象を持っていない」との理由で交渉は難航。
しかし、公開は日本国内限定での厳しい条件付きで、ようやく承認を得ることが出来た。
公開後、高い評価を得たこの作品をもって、山田洋次監督はニューヨークに出向き映写会を開き、ハミルに鑑賞してもらう。
ハミルは映写会終了後、この作品を称賛し海外への輸出を喜んで了承した。
キャスティングについては、都会出身の女性役として桃井かおりはすんなり決まったが、地方出身の若い男の役には演技実績のない武田鉄矢が抜擢された。
撮影中、台本通り演技できない武田鉄矢に対して、高倉健は優しく接し時折アドバイスしたり激励するなどフォローもしていたようです。
それまで任侠映画の印象の強い高倉健でしたが、この作品機に新境地を開いた作品でもあります。
刑務所から出てきたばかりの高倉健が、食堂でビールを飲みラーメンをむさぼるように食べるシーンでは、実際に2日間絶食し撮影に臨んだそうです。
あらすじ
恋人に振られた花田欽也(武田鉄矢)は、ヤケになって失恋旅行の旅に北海道に向かう。
その頃、網走刑務所からは島勇作(高倉健)は出所してくる。
また、欽也と同様失恋旅行で東京から北海道に来た朱美(桃井かおり)は欽也にナンパされ意気投合し行動を共にする。
海岸にやってきた2人は、同じくそこにいた勇作に写真を撮ってもらい、その縁で3人旅を始めることになる。
道中、宿泊先の宿で朱美にしつこくせまる欽也に対して、その不節操な行動を激しく叱責する。
車中や食事中の会話から勇作は夕張に向かっていることや、勇作が元受刑者で一昨日まで殺人の罪で服役していたことが分かった。
夕張までの道中、勇作は少しずつ自分の過去を語りだす。
妻・光枝との結婚生活、新しい命を授かった喜びと流産の悲しみ。
光枝の過去を知り、ヤケになって地元のヤクザと喧嘩してしまい、殺してしまったこと。
実は、出所直後勇作は光枝に一枚のハガキを出していた。
内容は「もし、まだ一人暮らしで、俺を待っていてくれるなら、黄色いハンカチを鯉のぼりの竿にぶら下げておいてくれ。」だった。
ここから先は、実際に映像でご覧になってください。感動の涙で前が見えなくなります。
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ではまた、次の映画の紹介まで、お楽しみに。