今回紹介するのは、1974年に公開された邦画『砂の器』です。

 

『砂の器』

監督:野村芳太郎

配給会社:松竹

出演:加藤剛、島田陽子、緒形拳、森田健作、笠智衆、丹波哲郎他

 

 この作品は、元々松本清張の社会派推理小説が原作、代表作の一つで、脚本には山田洋次・橋本忍が担当しており、非常に見ごたえのある映画です。

 

 松本清張作品の中でも特に有名な小説で、映画化1回・テレビドラマ化7回制作され、その都度高い評価を得ています。

 

 物語はハンセン病を背景にしており、方言が事件のカギを握るといった構成になっています。

 

あらすじ

 東京都内、大田区蒲田駅の操車場で殺人事件が起き、男の殺害死体が発見される。

 

 駅近くのバーで被害者と連れの客が話し込んでいた事が判明するが、被害者の東北訛りの「カメダ」の名前を話題にしていたという事と、ベテラン刑事の今西が秋田県に「羽後亀田」という駅名を見付けた事しか手掛かりはなかった。

 

捜査が行き詰るなか、岡山県の三木彰吉という人物からの申し出で、被害者の名前は「三木謙一」という岡山県の人物であることが判明し、事態は急変する。

 

「三木謙一」は岡山県在住で東北弁を話す可能性は低く、今西は困惑するが同じ中国地方の島根県出雲地方では、東北弁に似た方言を使うことを知る。

 

そして、島根県の地図から「亀嵩」の駅名を発見。

 

今西は「亀嵩」近辺に足を運び被害者の過去から犯人像を探ろうとするが、被害者が好人物であったことを関係者はみんな口にするばかりで有力な手掛かりは掴めなかった。

 

とある日、若手刑事の吉村は新聞から不自然な記事を読み、捜査に赴く。そして、一件の交通事故と犯人の過去が今回の事件とつながり、物語は収縮していく。

 

捜査はやがて本浦秀夫という一人の男にたどりつく。秀夫は石川県の寒村に生まれた。

 

やがて父がハンセン病に罹患したため母が去り、やがて村を追われ、やむなく父と巡礼姿で放浪の旅を続けていた。

 

 秀夫が7才の時に島根県の亀嵩にたどり着いたここで出会ったのが、当地駐在所の善良な巡査「三木謙一」であった。

 

ここからは、実際に映画を観てほしいと思います。

 

この映画はただの推理小説ではなく、ハンセン病という重いテーマを抱え社会に対する矛盾と偏見を糾弾している作品です。

 

また、四季折々の美しい日本の風景も描かれて映像も優れたものになっています。

 

この作品も書店やCDショップで安く販売しているので、是非ご覧になってほしい映画です。

 

ではまた、次の映画の紹介をお楽しみに。