動物愛護シンポジウム | 秒速5センチメートルのblog

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秒速5センチメートル それは桜の花びらの舞い落ちる速度 そんな風にひらりひらり優しく揺れながら書いていたいかな。

4月21日 保護猫カフェねこかつさん主催の動物愛護

シンポジウムに行って来ました。

 

TNRや保護猫活動を個人でしている私としては知らない事

だらけでこういった講演会にはよく足を運び学びます。

今回のシンポジウムで講師としてお話をして下さった方々

それぞれのお話しに一喜一憂し辛く悲しく胸が締め付けられる

思いでした。

 

動物虐待に命をかけ取り組んでいらっしゃる杉本彩さん

虐待の現状とそれに伴う課題への取り組みをしっかりと

語られていらっしゃいました。

虐待されている動物の命を助けたいのに行政との

戦いになるとおっしゃっていました。日本は本当に動物愛護への

感心がとにかく遅れている国なので助けたいと願う人達の方が

個人の財産をなげうって行政への談判を必要とするのです。

直訴をするにしても何にしても動物愛護の薄い国を動かすには

体力もお金も精神も時間も削り取られる。

杉本さんはおっしゃいます。

私は何と戦っているのだろうという気持ちになってしまう事が

あると。どんなに費やしたとしても虐待をした人の罰則は

微々たるもの そして、再び繰り返される虐待。

それでも杉本さんが必死に戦って下さった結果は決して無では

ありません。少しずつ少しずつ耳を傾けて下さる方々も

増えているのです。

また杉本さんご自身嫌がらせなど、色々辛い毎日を送って

いらっしゃるそうです。動物愛護の観点がそもそも違う方も

いらっしゃる。私にはどれが正しくどれが間違いであるのかは

わからないし、私にとって正でも他人にとっては間違いかも

しれません。でも私は思うのです。誰が何を言おうと

そんなの構わない、要は「命」を奪う権利は誰にもない。

人であっても動物であっても「命」を弄ぶ事が悪なのだと

どんな人にもその事だけは心に置いて欲しいと。

 

また行政側からも埼玉県保健医療部のかたが殺処分ゼロに

むけた埼玉県としての取り組みと今後の課題として

次期法改正に望む事をお話しして下さいました。

 

朝日新聞記者の太田さんも現状行われている犬猫の大量生産

大量販売するビジネスのお話をして下さいました。

私は何度も言いますがブリーダー反対派です。

ブリーダーとして必要なのは純血種の血統を守る為の

ブリーダーさんだけでいいって思うのです。

そのブリーダーさんにだけ国が繁殖の許可を出し

ブリ―ダーになる為には国家資格を有し、その資格を取るには

生体に詳しいのは当たり前ですが販売ルートから

最後まで看取れるラインの確保がしっかりと出来ているものに

限るというような条件が必要であると、それくらいの制約を

付けなければ資格は取らせない。そして年に一度は必ず

監査がはいり動物の状態の確認、ラインの確認をする。

違反者には実刑を必ず付ける。書類送検程度で終わらせては

意味がないのです。

そういったものを作っていかないと悪徳ブリーダーは後を

断たない。国は動物だからという理由で悪徳ブリーダーに

目を瞑ります。私は実際とある市長さんに意見書を届けた時に

猫さんのそういう実情もわかりますが、まずは人間の問題が

先ですよ、市民からの色々な問題があっちもこっちもでとても

じゃないけれど自分には時間がない、といった言葉を発せられ

かなり落胆した事があります。

当選するまでは野良猫ちゃん問題に取り組みましょう!なんて

言ってましたけど。当選したらこんなもんです、行政は。

ちいさな段ボールにメロンの集荷の様にベルトコンベアーに

流れていくワンちゃんの競り市。

そんな競りからペットショップへと売られていく子達もいます。

その競りに出る前のブリーダー(繁殖業者)がどんな方法で

子供を産ませているのかなんてわからないのです。

 

アニマルライツセンターの岡田代表からのお話は犬猫さんだけ

ではなく動物全てに関わるお話でした。

私は卵も鶏肉も豚肉も食べます。にわとりが豚が・・・

どういった状況でその身体を提供しているのか、考えた事が

ないわけではありません。でも自分が生きる為に目を瞑って

いた事には違いないのだと思います。

けれど想像以上に過酷な実情を教えられました。

決してそれがすべてではないとは思いますきちんとした

育成のもと出荷する業者さんも沢山います。

けれどそういった裏ではとても文章では表す事が出来ない

内容での飼育出荷をしているような業者さんがいるのも

事実なのです。ヴィーガンになる人の気持ちを少し知る事が

出来たような気持ちになりました。

私はこの実情を知ってもなお、卵も鶏肉も食べています。

そんな自分に少し恐ろしくも感じてしまうけれど・・・

あの時・・・

銀の匙という漫画を思い出していました。

北海道の農業高校のお話で自分が育てた子ブタがベーコンに

なると知った主人公の心の葛藤にかなり感情移入して読んで

いました。結局主人公はそのベーコンを自分で飼い取り子ブタの

命の大切さをかみしめながら美味しくいただくのです。

うまい~って言って。

私はきっとヴィーガンにはならないのだと思います。けれど

決して頂いた命を無駄にしてはいけない、食品ロスは本当に

悪だと思うようになりました。

 

けれど自分が食べる食べない事よりもどんな環境の元で

かれらがその身を提供しているのかを(決して望んで

提供してくれてなどないけれど)知る事は絶対に必要だと

思いました。

 

そして最後にお話しをして下さったのはハナ動物病院

院長の太田先生のお話です。

有名な先生なのでご存じのかたは沢山いらっしゃると思います

 

こんな先生です

 

太田先生は野良猫さんや捨てられたワンちゃん等の治療を

熱心にされる獣医師さんです。

東北関東の震災の時にも団体さんで保護された動物達の

治療や手術に積極的に参加されていました。

私が太田先生を知ったのはあるドキュメンタリーの

番組でした。

大学時代に殺処分対象であった「花子」というワンちゃんを

引き取り彼女が亡くなるまでのお話を綴ったものでした。

 

全てに於いて太田先生は子供の頃から動物が好きだったという

根底を変えない、良い意味で子供の心を持ったまま育った大人。

お話しは太田先生の「3つの妄想」として熱く語られて

いました。太田先生の話を聞いていると、何故こんな

単純な事が人間には出来ないのだろう・・・こんななんでも

ない事を何故人間は理解しないのか、やろうとしないのか

そんな気持ちにさせられます。

太田先生がどのようなかたなのかは

こちらを見て頂けると人柄がでていらっしゃるかと。

 

本当に充実したお話しをきけた1日でした。