思い出した話です。

中学校にめったに登校しない男子生徒がいました。私も不登校でしたが、先生方はその男子生徒にはあまり関わりたくないようでした。


私が学校に行かないと先生方が引きずり出そうとするので、そういうことから中学校が大嫌いでした^^;男子生徒、仮にカズくんとします。

カズくんには先生方がわざわざ自宅まで行って、どうこうというのはなく、担任は「あいつの家の事情だから」っと諦めていました。


カズくんには弟、妹が何人もいる母子家庭の長男でした。カズくんのお母さんがよく自転車をこいで仕事に行っている姿を見かけていました。

カズくんはお母さんが仕事に行っている間、弟や妹の世話をしなくてはいけない状況で、今でこそ名前がつきましたが、「ヤングケアラー」状態だたのです。


今になって、保育園を利用しなかったのか?っとか、弟、妹の誰かが発熱をして保育園に行ける状態ではなかったのか、っとか様々なことを想像するのです。私も妹たちが幼稚園に通ってた時、お迎えのバスを一緒に待ったり、母親がお昼まで帰ってくるなっと言って妹たちとただただ、公園で遊んだり…カズくんと少し似た状態にはありました。


私の母親は仕事をしていたので妹たちは保育園を利用していましたが、ある日突然、退園させて知り合いのいる幼稚園に入園させました。

まだ、こども園がなかった時代。学童保育もあまりなかった頃です。

母親は仕事の都合で朝4時から出かけます。継父は出張、帰ってきてても5時には仕事にいきます。

幼稚園のバスがくるのを中学校に行かずに待っているのは今思えば、保育園と幼稚園の違いが分からなかった母親に責任があるのではないかと。

仕事をしながらお子さんを幼稚園に通わせているご家庭もありますが、母親は私がいるからと面倒なことは丸投げしていたようにも思います。


カズくんは中学校にあまり出席できずに卒業。

底辺校、定時制高校を受験しましたが、どちらも不合格だったと本人は言っていましたが、真相はわかりません。

ただ、「未成年でタバコを吸ったり、酒飲んだり、悪いことしたからさ」っとも言っていたのでそちらが原因で不合格になった可能性もあります。


カズくんが中卒で働いているという話を高校生になった時に風のうわさで聞きましたが、長く勤めているかは未だに確認できません。SNSにも出てきませんし…あまり、関わりたくないと思っているので…^^;


いずれにせよ、ヤングケアラーは家族間の問題で入りずらい部分はありますが、それを知っていてカズくんに関わらなかった中学校の担任は最低だと思います。

ヤングケアラーの概念がなかった時代で、不登校が一気に増えた時代でもありました。

踏み込み方を間違えるとますます、学校に行けない可能性もありますが、踏み込むことで学校に行ける可能性も出てくるのは確かだと考えます。


ただ、教育の場だけにヤングケアラー対策を講じるのではなく、行政が介入しないといけないところもあります。

社会福祉士、介護福祉士、ヘルパー、精神保健福祉士、病院、保育所、幼稚園など…あげたらキリがないくらい支援はできるのではないか…

ただ、私の母親みたいに情報がない、得られないのも事実です。


本当の福祉国家とは何かをカズくんで考えさせられました。

さて、夕食を作ります。


ではでは。