横店……中国の映画・テレビ制作の夢工場、東洋のハリウッドとして知られる。毎四半期におよそ二十数部の芝居がここで撮影されるそうで、ほとんどが歴史物である。ここはまた、映画やテレビへの出演を切に望む多くの人々が夢を叶える場所でもある。その人たちは当地での映画・テレビ制作の発展にふさわしい独特な存在になっており、「北漂」(地方から北京に来て仕事を探し生活をする人々)と同様、「横漂」と呼ばれている。
テレビドラマ『蒼穹の昴』の撮影に参加するため、映画・テレビ業界で長くその名を誇るこの場所にやって来た。来る途中、折よく虹が見えたので、すぐさまカメラをつかんでシャッターを押した。きっと良い前触れだろうと思うんだ。
『梅蘭芳』後の二つ目の役柄であるため少し慎重になっていたかもしれないが、まさにこの慎重な役選びゆえにちょっとした面倒がもたらされた。例えば、気に入らない誰かのことを事実を知りもせずいい加減な作り話で攻撃するなど、何とも仕方がないことではあるが、その時はいささかへこんでしまった。まぁ、そうはいっても、どんな職業に就いても仕事上の波風は避けられないのだから、理性と勇気を高めて向き合えばいいのだ。そんなふうに自分を慰めた。しまいには「身正不怕影子歪」(体がまっすぐなら影が曲がっていても心配する必要はない)という中国の古い言葉まで持ちだして自分を励ました。
俳優という職業はどうしても受け身にならざるを得ない時もあるが、主体的かつ積極的に、自分の役について考え勉強することはできると思う。物事をうまく行うには体力気力を集中させなければならないのであり、精力を傾けてこそ純粋でいられて簡単には外野の邪魔を受けないのだ。
現在、新しい環境に来て新しい役柄を手にしたが、これは私の新たな出発点でもある。一生懸命に努力して、このドラマを十分に大切にしようと思う。
原文はこちら http://blog.sina.com.cn/s/blog_5d6a83990100d20t.html