真剣なカメラマンと向き合う
長沙で仕事を終え北京に帰って来たばかりで、疲れ果ててはいるが気持ちは高ぶっている。もしこの憎らしい咳が良くなっていれば、もっといい気分になれただろうと思うのだが。家に戻って最初にすることは、パソコンをつけることだ。みんなの「足跡」を見ようと思い、ふと元クラスメイトが送ってくれたメールが目に入った。それは動画ファイルだった。開いた瞬間、夢の中に入り込んだような心地となり、思わず気持ちが十年前に引き戻された。当時、漢劇科の男子生徒全体で行った立ち回り劇『雁蕩山』の録画資料だった(初めて見た)。笑いと汗に満ち、奮闘と向上心が織りなす、若い時代!
追憶とは実に不思議なことだ。その頃はギアを入れ勇んで発進する直前だったが、道々こぼれた思い出は深く脳裏に焼き付いていた。一人ひとりの愛らしい顔、しっかりと覚えこんだ一つ一つの所作や武術の型、一つ一つの忘れ難い場面が目の前に浮かぶ。もし以前に誰かがこのように過去の追憶を述べているのを見たら、きっとキザったらしいと嘲笑しただろうが、今は元クラスメイトが送ってくれた録画に思い出が強く呼び起されて、思わず人並みのことを書いている。
ずっと「記憶力が良くない」と言っている私だが、瞬時に十年前の芸術学校でのあれこれを思い出した。桃園結義(劉備、関羽、張飛が義兄弟の契りを結んだ三国志の故事)をまねた兄弟、こっそりと厳しい自主練習を競い合った兄弟弟子たち、練習をさぼると私をぶったけれど練習を終えたあと熱々の特製手料理を準備してくださった懐かしい先生、宿舎で騒ぎふざけ合ったルームメイトたち、あどけなく可愛いくていつも我々三兄弟にからかわれた妹弟子。家に帰るたびみんなで集まって、尽きない話、語り終わらない心!この時私は急にあの人たちをとても恋しく思い、過ぎた日を懐かしんだ。
昨日、活動現場で記者に今の生活になじんでいますかと聞かれたので、自信を持ってきっぱりと、とても順応していると答えた。確かに今の立場からみて生活が合わないと答える理由などない。あれほど多くの兄弟弟子たちと先生が、私を見て祝福してくれているのだから。
追憶とは実に不思議なことだ。自分がどのように歩んできたのか、はっきりと見せてくれる。私は自分一人の夢だけではなく、多くの人の期待を背負っているのだろうと思っている。
「戯夢人生」を歌う
原文はこちら http://blog.sina.com.cn/s/blog_5d6a83990100cepc.html
★HAPPY BIRTHDAY!!! TO SHAOQUNの記事の中のメッセージの訳文は、路西さん(9/11の記事「ごあいさつ」 でご紹介した友人)にお願いしました。