競馬の話。

昨日の中京4レース、障害未勝利戦に2010年の菊花賞馬ビッグウィークが出走、見事その菊花賞以来の勝利を収めました。

こう書けば、さも良かったかの様な話ですが、障害レースの盛んな欧州とは異なり、日本では障害レースは平地のレースで頭打ちになった馬達のレース…つまり、

「平地失格」

の烙印を押された事を意味します。もちろん障害の名馬で殿堂入りまで成し遂げたグランドマーチスや、障害で鍛え直してG1を2勝したメジロパーマーの様な馬もおり、障害戦出走=駄目な馬という訳ではないのですが、正直一段「格」が落ちると言わざるを得ません。

本来、種牡(繁殖牝)馬検定競走である競馬に於いて、最高峰のレースであるG1レースを勝った馬は「優秀な血」を残すべく、牧場に帰って行きます。

そう、「本来」であれば。

しかし、現実はそうではない場合が往々にしてあります。前述の通り、菊花賞を勝ちながら障害戦に出走せざるを得なかったビッグウィーク、障害戦には出ていませんが、ジャガーメイルやマイネルキッツは天皇賞(春)を勝ちながら、通常であればとうに引退している9歳や10歳になっても現役で走り続けています。

何故か?

実は、これらの馬達が勝ったG1レースは、3000mまたは3200mという長距離G1…つまりスピードよりも持久力(スタミナ)に重きを置いたレースです。以前はこの様にスタミナを重視したレースも多くあり、こういったレースの勝ち馬も種牡馬としての需要がありました。

しかし、次第に欧州や北米の基準が日本でも基準になり始め、1600m~2000mがメインになり、そういった距離を得意とする馬や、そういった産駒を多く輩出する種牡馬が重用される様になりました。

そんな時代の変化の中で、菊花賞や天皇賞(春)の様な長距離G1の勝ち馬達は種牡馬として人気が無く、種牡馬入り出来たとしても、繁殖牝馬を集める事が出来ず種牡馬を引退したり、種牡馬にすらなれず乗馬になる例が増えてきています。

もちろん、色々な都合があるとは思いますが、やはりG1を勝っても血を残せないというのは…しかも、由緒ある菊花賞や天皇賞(春)の勝ち馬がです…さすがにこれはちょっとどうかと思います。僕自身の考えとしては、菊花賞や天皇賞(春)については距離短縮を行い、勝ち馬が種牡馬になり易い様にすべきと思うのですが…。

JRAには是非、前向きに検討して頂きたいと思います。