夢は売れること?続けること? | テクスファーム小林のブログ

夢は売れること?続けること?

怒髪天の増子か、クロマニヨンズのヒロトが言っていたらしいんだけど「若い子に、夢は売れることです。なんて言われることがあるけど、それは夢じゃねーよ。手段だよ。って言ってやるんだ。バンドマンにとっての夢は、バンドを続けること。売れる売れないってのは、大したことじゃない。好きなことを続けられたら、それだけで最高でしょ」と。


これは、ある種の真理で。
プロになるとか、売れるとかは、大して重要じゃないと思う。

このバンドの子だとして。例えば、スゲー、売れたとしても、自分が好きでもない服を着て、自分の曲でもない歌を唄って、下らないテレビ番組に番宣で出させられてたら「あれ?これ、俺がやりたいことじゃねーんじゃねーの?」って思うだろう、という話。

バンドやってたら、一番楽しいのって「デカイ音でジャーンって弾いて、自分の曲を好きだ、って人たちが集まってて、一緒にワーワー騒いで、終わった後で、居酒屋なんかでドンチャン騒ぎする」ってところじゃないか、と。そのために、バンドやってるわけだろうから。

でも、それ、一生続けるには、ある一定の集客がないとダメだし。自分や家族がメシを食べるために売れなきゃダメ。売れなかったらバイトしてでも続ける、ってことで。その、続けるための手段の一つに「売れる」ってのだろうよ、って。

最近、それを実感するような、似た話があって。
僕の、大学時代の友だち。
家具職人になって。

嫁さんの実家のペンションを手伝いながら、自分の好きな家具を手作りで作ってるんだけど、最近、二人目の子どもも生まれて。そうなると、稼ぎを増やさないとダメだしなー。なんて話してて。

もう、彼の場合、今は夢を実現してるから。

自分が好きな家具をつくってて。それを欲しい、って言ってくれる人がいること事態、もう夢のような話だから。その夢を見続けるためには、家具の値段を上げたり、量産する体制をつくったりする必要があるワケ。

2ヶ月かけて、15万の棚をつくっても。家族4人が2ヶ月15万で暮らしてはいけない、という現実もあって。

だから、新しい手段を自分で、ひねり出さないと。
その手段ってのは「商品単価を上げることなのか」「どっかと提携することなのか」「生産ラインを確保することなのか」。そういうのを自分で決めて、自分で賭けないといけないんだろうなー、って。

でも、同時に、好きで始めた家具づくり。いっぱいの人に、使ってもらうためには「手頃な値段である必要もある」わけなんだけど、安くしたら食べて行けない。あと、量産体制に入っちゃったら、ある意味では、前よりも自分の手から離れることにもなるけど、好きで始めた家具づくりなんだから、全部、自分の手でつくって、届けてお客さんと関わりたい。

こういうのと折りあいをつける。

そういうのが「これからの仕事」なんだよなー、なんてつくづく思ったわけです。


ひるがえって、僕自身のことで言えば「好きなメディア」を、「好きなデザイン」で、好き勝手につくって、どうやったら、もっと多くのみんなに見てもらえるか。とか考えて、トライして、失敗して、修正して。そうやって、10年以上やってきたけど。

10年経てば、時代も、読者も、環境も変わるし。同じことを繰り返してて、読者が満足しないし、自分たちだって、楽しくない。新しいことにチャレンジしないと、ドキドキしないもの。

最近、強く感じたのは新しいことにチャレンジする権利ってのは、ある程度の知名度とか。信頼ってのがないともらえないんだなー。と。

最近、ニットブランドの立ち上げに携わらせてもらって。コンセプトとか、テーマとか。商品構成、色や素材。商品数の構成。などなど、全部を託されて。

楽しかった。ドキドキした。嬉しかったなー。

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ファッションブランドの立ち上げは、今回、初めてだけど、雑誌の立ち上げは何度もやってるし、ファッションビルのセール企画も何度もやってる。テレビCMも、ラジオ番組も、やらせてもらってる。

好きなことを続けるには結果を出さないと。
新しいこと(面白いこと、興味あること)にチャレンジするには、結果を出し続けないと。僕の辿り着いた、一つの答えは「自分が"面白い"って思ったことに、いろんな人に伝えること」が、売れる秘訣だろうし、続ける権利に近づく方法だ、と。