先日、娘が誕生日を迎えた。



その日の朝、娘が私に聞いていた。



私って、何時頃、生まれた?



夕方だよ。

だから朝のこの時間は、その日のうちにあなたが生まれるなんて、思わなかったよ。




娘を産むのは、里帰り出産だった。


幼い息子の面倒を見てもらう人が生活圏にはいなかったので、

出産の1ヶ月ほど前から実家に世話になり、

実家近くの産婦人科で産むことを決めた。



里帰りしている時、私は毎日、湊と電話していた。


今日はお腹の様子こんなだよ、

息子は元気だよ、

といった様に。






私と娘の会話を聞いていた湊が言ってきた。



娘ちゃん、生まれる日の朝、

あの日は、とても天気がよかったんだよ。

ママは、朝のうちはまだ産気ついていなかったけど、10時頃に産気ついて、陣痛でお腹痛いのに、

今から急いで布団干す

ってパパに電話で言ってたんだよ笑



そんな事、私、言ってたんだねー



と3人で笑いながら。




娘が生まれる日の会話。

私は急いで布団を干した

なんてエピソード。


私は全く覚えていないのに。


湊は覚えていて。



そんな会話をしても、私は布団を干した事なんて思い出せないけど。



でも、

想像すると、

そこには幸せが溢れていたと思う。




湊は半休とって、

飛行機に乗って、

私の出産した病院に駆けつけてくれた。





私の覚えていない事。

湊は覚えていた。








あの頃は、まさか湊が

過去の女と裏切るとは、

思いもしなかったよね。







私より、

娘が生まれた日のエピソードを

湊は覚えてるのにね。