数年前の話。
その頃の私は、
普通に過ごせる日
と
荒れ狂う日
を
繰り返していた。
普通に過ごせる日は、
至って普通で、
家事、仕事、愛犬の世話、
普通にできるのに。
湊の裏切りをふと頭の中で思いだすと
全てが嫌になり、
言ってはならない様な暴言を
湊に吐き、
時には
子供達にも。
馬鹿みたいに、赤ちゃんみたいに、
泣き喚き
頭を自ら強打して、
泣き疲れて、
床の上で、
そのまま眠ってしまったり。
そういう時期が、
確かにあった。
湊が言う。
病院に行かないか?
俺もちゃんと、着いていくから。
私は元々、
不安症なところがあり、
メンタルクリニックに罹った事は
数回あり、
軽い安定剤を2種類持っていたから。
不安で眠れない夜や、
日中でも、
不安でどうかなりそうな時は、
その薬を飲んでいたから、
改めて
病院に行く必要は
ない。
と
自分でわかっていたけど。
湊に、
ママはきっと、
◯◯っていう病気なんだと思う。
だから、それを治すには、
ちゃんと病院に行って、
医者からの薬で
治してくべきなんだよ。
そう、言われた。
◯◯
という病名。
湊が言った、その病名を
ハッキリと
覚えていないけど、
湊は
ネットで調べたら、
ママはきっとその病気だから、
と
言われて。
段々と腹が立ってきた。
もう、薬は手元にある。
こういう症状が、
本当に
◯◯
という精神病だったとしたら。
その精神病に
私を陥れた
湊が
病院に行くべき。
と
私は言った。
妻がいながら。
子供がいながら。
過去に
妊娠させた女と
2人きりで会い、
その事が妻に知れたら、
妻はどうなるか?
そういう事が
想像もできずに、
欲のまま、
岬と会い続けた湊が、
病院に行くべき。
そう、
何度も
言ってやった。
湊と岬、
2人、抱き合いながら、
私の目の前で
◯んでくれればいいのに。
何度も
湊の前で、
言ってやった。