中川智正さんに視せられた
IFを書く内に私の表情がIFとシンクロする
この顔なんて死刑執行前日に見た顔だよ ?

シンクロするのは気持ちだけかと思えば
雰囲気も同じようになるとは思わんかった
中川智正さんの意思は 死後も有効 自分がオウマーに人気なのは話すらせんけど、それ以外の話は良くするようになったかな

二つの道があるのは中川さんも私も一緒

四十九日が過ぎた時からこうなったけど
IFを伝えられて視る中で辛いばかりなのに
本人はずっと自分の中で溜めてた気持ちが
消えるかのように日が経つにつれ穏やかに

跳ねっ返りな16歳の私との出逢いから
死刑執行される瞬間までのIFがある

どれも神秘体験を物語る出来事で
受け取られるか分からんけど伝えたってさ
あの強烈な想いは今まで経験した事がない
倒れそうになるぐらい頭に響いてくる内容
中川智正 って名前も人物も知らずにいて 
その日から知る事になるIFは辛すぎる内容

91年10月から18年7月まで
細々した部分を視せられると生々しさがある

逃亡する時も子供らを抱きしめた後に
私も抱きしめられるけど泣きながらそうされる
何かをしたのは分かるけど殺人とは分からん
子供を頼む って言ったっきり逮捕される日まで無事の確認も出来ず 、って内容

村井さん刺殺があった時に
中川智正さんは逃亡して居場所も分からず
上祐さんに聞くけど珍しく焦った様子で
ティッサ師は大丈夫 ! とだけ言われた後に私は麻原に呼び出されて軟禁される

脅されたんよね
村井さんが殺された意味を考えろって
意味なんか知らんけど性格を考えれば分かる

住んでたマンションを調べてみたら
ハーモニカがなくて家族写真も乱暴に
アルバムから引き剥がした形跡があったり
医師免許やら置きっぱなしで着ていた白衣も
脱ぎっぱなしで現金も手をつけてない

93年の時点でサティアン生活やなく
市内のマンション生活で私は立ち入り禁止で
何をしてたかも分からん状態だとしても
オウム真理教が犯罪で疑われとるのは分かる

逮捕された日に私は警視庁にいて
取り調べを受けよる最中でカマをかけられた
前日とは違う空気の中 中川智正が逮捕されました 場所は東京の路上だと言われただけで犯罪を聞いたのは数時間後

私がサティアンで保護された日は
麻原が逮捕された同じ日で19歳やったから
未成年として話を聞くだけの取調べは短く
妊娠しとるのもあったりしてそれは助かった

重要参考人は変わらず
犯罪行為をしてないだけで内部を知る人間
上祐さんの部下になってたのもあって
ロシア支部に居た上祐さんとどんな話をしたか
麻原は私に何を命じて軟禁したのかとか

文部科学省の役人が来て
ゲルニカ事件の裁判の話をされようが
利害関係を結ぼうが関係なく確かめたかった

全てが真実と分かって裁判が始まるけど
最初から死刑になると覚悟しとったかもね
殺人とサリンを作って松本と東京に撒いた
それだけでそうなると分かるのに私以外は
死刑回避しようとか色んな事をしよるんよね

中川智正が黙秘して語らずとか
座禅を組んで修行をやりよると聞かされ
その度に特別に接見も許されてきたけど
4番目が生まれた時にIFでは黙秘をやめた

退院したその日に子供を連れて
顔を見せたら泣きながら名前を伝えてきて
光ひかる ひかりじゃない理由も言って
家族は自分の光だからってね

法廷で結婚した事とか子供がおる事を
被害者の方に責められたり家族会の会長さんに
諭されたりして泣く姿ばかり報道される

そんな風に出逢えば更に辛くなるのに
中川智正さんはそれを視る事が出来た事が
嬉しくて初めて力に感謝したって言うんよ

私はIFの私の気持ちが辛いけどね

中川さんを本当に愛しとった
最期まで一緒に死刑を願うほどの姿は
もう一人の自分としても見るだけで辛い

あの大雨の中 子供達が広島に集まって
IFでは岡山まで遺体を運ぶんよ

広島で葬式をするとか許さずに
岡山の実家に連れ帰って通夜と葬式をする
現実的な話をするとドライアイスを詰めて
冷たいのは許してもらうとして連れて帰った

お母様もIFでは認知症やないんよ
次男が実家に住んで医者になるのもあるし
孫の存在があると中川さんの考えも違う

7月6日が執行で翌日7日でも熱い

身体を綺麗に拭いてあげて
洋服を着せて白衣も着せた

クーラーは18℃の強風にして
氷屋さんに頼んで沢山のドライアイスで
中川智正さんの身体を冷たくする

それをしたのはIFの私
泣きながら行動するのは異様に見えた
冷たい中一人で眠らせたりせんで
どんなに冷えようが私もずっと傍におる

お通夜の支度とか葬式の手配は
中川智正さんの弟さんや妹さんがしてくれて
お父様とお母様はそんな私を見て泣きよる

連絡を受けて福岡から私の両親も来て
喪服を持ってきてくれるだけで声はかけん
かけれんよね 、中川さんの傍で正座してずっと中川智正を見つめて微動だにせんのやから

走り書きメモはIFも変わらん
最後の言葉があるだけの違い 

ずっと愛してる って言葉がIFはある
遺書はそれぞれに遺しとるからその言葉は
ギリギリまで書いてた時に書き残した想い

子供4人はメモをコピーして
綺麗に保存するのだけは直ぐに動いた
子供の中で1番泣いたのは四男の光
初めて父親の手に触れた時に泣き出してね

中川さんは死後にここまで視とるんよ

現実と違いすぎるのに
どちらも自分だと思えば救われるって

私もIFの私と同じ表情になったのを見ると
どちらの私も私なんだと自覚させられた

融合するとは思いよったけど
こんな風に変わるとは思っとらんかった