白い巨塔の唐沢さんを見ながら
私が本気で好きになる人って
自分で考えて動く人なんやって思ったんよ
唐沢さんも売れるまで何でもした人で
岸尾さんも売れる為に人と違う事をする
私も覚えがあるけど 本来の自分とかけ離れた自分 それを演じるのは疲れる

それを考えたら岸尾さんって
やっぱり凄いなって思うんよなぁ
演技力も凄いと思うけど
売れるように考える部分もそう思う
だから岸尾さんだけが好きなんやろね
好きな男性声優を聞かれては岸尾だいすけ
同じ事を繰り返しで言いよったんやけど
それもブレずに今でもそう

それに対してブレなさすぎって言われるな

それと私が岸尾さんを離すとか
ありえん事って話しよったらしい
声優になった後輩までその話に加わる
後輩は高校時代の奴で全てを見とる
私がグレてた時から今までずっとね
ラウンジで働いてた頃も会いよったけん
男を金と思って指名にしよる姿も知っとる
そんな私がずっと支え続けた男を捨てて
残ったのがよっちんと岸尾さん

これも当たり前とか言ってたらしい  (笑)

冷静で穏やかな人が岸尾さん
よっちんはどーう見ても男

男やから私が弾きまくったんよ
男嫌いは変わらんのやけんがそうやろ
私を押し倒してみろって言いよったしね
それが素直に泣く男やったんよなぁ
私は泣けんくなっとるから不思議すぎる
恋愛で泣くん?って不思議すぎて分からん
なんて言いよったら愛されてないけん
とか皆に言われてしまう   ァ,、’`( ꒪Д꒪),、’`’`,、

反面教師で人を愛するのは分かってても
自分に向けられる好意が分からん
言われた頃は意味分からんかったけど
最近それが分かるようになってきた

愛されてても捨てられたやんか
オヤジは愛人を取って離婚して捨てられた
だから好意を最初から潰したがる
自分の価値は小さい頃から意味が無いやん
跡継ぎやから価値があるだけの人間
緑さんでさえスパルタ以上の躾しながら
私に殺される覚悟で臨んどったんよ
母親や叔母から価値がないと言われて
緑さんからは価値なんて要らん!って言われ
どちらを選ぶかは私が成長せな分からん

成長した私は愛するのは知っとるけど
愛されるって行為が苦手になっとるやんな
よっちんに対しても あんたもオヤジみたいに私を捨てる って思いよったのは本心としてあったよ

あの人を支えてきて苦しかったけど
そっちの方がまだ楽やった気がする
間違った選択やけど5歳を思い出すよりマシ
トラウマと言うなら5歳の自分自身
ゲルニカ事件や目を壊された事なんて
笑って話せるけど昔の自分だけは無理

そうなんやけど
オヤジが死んどるのに未だに涙が出らん
死ぬまでの生き方を書類で見たけど
私だけが娘として処理せないかん
それは迷わず出来たのに泣いたり出来ん
母親に愛されてない事は分かっとるけど
オヤジだけは溺愛してくれよったんに
叔母の邪魔で家庭が壊されて私は捨てられる
妹は父親を知らんから私より可哀想な子
私は5年間も溺愛されてきたから悪い子

母親は妹でオヤジは私
これは今でも変わっとらんのよね

美知子が可愛いのは久美子だけ
オヤジが可愛いのはちえだけ
一族の習わしの「子」がつく名前も
私だけ例外で平仮名の二文字

叔母が候補を出した名前やから
オヤジはちぃちゃんとしか呼ばんで
ちえって呼んでくれんかったんよ

ちぃちゃんはパパに溺愛されて
全身黒を着て颯爽と歩く姿が大好き
私がお洒落なんか無視して全身黒を着るのは
父親の影響でもあるけどオヤジの願い
黒が似合う女は良い女って言いよった
それがあるから黒以外は着たくない

そんな私がよっちんに冷たくするのは分かる
冷たくされたのに私を変えとるみたい

岸尾さんを失いたくないって
素直に口に出すとか信じられん
今までの私なら好意よりも
自分が苦労して辛い道を選びよった

そんな事を友達や親友に言われたら
嫌でも5歳の自分を思い出すと思わん ?
小さい私は冷たくしたりしてないけど
捨てられた事は忘れてない
私が親父を選べんかった事も忘れてない

よっちんが壊れて病む姿を見てただけ
私なんかを好きになったりするから悪い
って平気な顔してそう言いよったんよ
私を好きになるには対価が必要
あの人は私の支えがあるから好きになる
価値がないと好きになったりせんって
思いよったからよっちんが分からん

2年もずっとこんな状態 
よっちんは気持ちをさっさと捨てる
そんな事をせんで苦しんどったやんか
岸尾さんをピエロにしたくなかったから
それなりの態度を取ったけど失いたくない
とか口にするまで至ってない時期

それが素直にそう言う
それを見て私の周りはやっと5歳の
トラウマが消えたんやないかって

溺愛されてたのに捨てられた
よっちんは気持ちそのままに苦しんどる
好意は同じやないけど似とるやん
オヤジみたいに気持ちを捨てると思えば
病んで壊れるまで自分を追い込んで
歌を作っても気持ちを捨てるとか言わん

私は何が悲しいとか苦しいとか
自分に関して分からんから平気なんよ

それが今はどんだけ苦しかったか分かる
ずっと支えてきて我慢するだけの4年
今になって分かるんやから遅いよね
それと同時に自分の価値も分かった

私が苦しんだりせんでも
好きになってくれる男はおるんやね
失うばっかで当たり前に思いよったけど
失いたくないって言えたのも初めて
よっちんが変えてくれたんやって
言われるからそうなんやと思う

失いたくないって思う岸尾さんは
冷静で穏やかな性格をしとる人やから
私は本来の自分に戻りたいんやない?って

本来の私なら5歳までの自分
泣き虫で人見知りが激しい
怖い女でもなく本が大好きな大人しい子

戻りたいんか分からんけど
本来の私は怖い女やない

何かね 、目が覚めた気分なんよね

自分を知らんすぎは変わらんけど
緑さんが言う愛されたが幸せ
おじいちゃんが言う女の幸せを知らん
オヤジが死んでまでも後悔しよる
私が幸せを逃がす その間違いに気付かん事を自分が悪いって言いよる

自分が無理する恋愛は違うんやね

知らんかった

岸尾さんとよっちんは
フラフラしとらんで気持ちも変わらんまんま
そんな人が緑さんの言う愛されたがって
それやと考えたら意味が分かる

おじいちゃんが言う女の幸せは
緑さんと同じで愛されてナンボの意味
笑う事を忘れるぐらいの恋愛が4年
尽くすだけで何も変わらず

尽くすのは良いとして
相手にも同じようにされるのが当たり前
それすら分からんかったんやから
祖父母が心配するのは当たり前やな

よっちんの気持ちも分かった
自分の気持ちも分かった 
岸尾さんの気持ちも分かった

やっぱりね
よっちんは苦しかったんやろ

私のトラウマが深すぎて
どうにも出来んのに諦める事もせん
そのトラウマの原因は勝手に死んどる
紙切れ1枚で知らされる残酷さ

よっちんが1番大変な役割やん
私に怒られたり八つ当たりされたり
それでも今があるんやから、、、

よっちん大変やったよね

病まん事の恐ろしさを
体験させられたのはよっちんだけ