ろくろ

轆轤より土の香立てり秋暑し    悠人

 

描き終へし絵と向き合へる夜長かな

 

秋の夜の独り野宿の火を見つむ

 

夏果てにけり土砂降りの交差点    しのぶ

 

秋日射す古地図の海に海賊船

 

秋深し実験室の火の匂ひ

 

【一年間の自薦の句】

 

楽隊の過ぎし青空冬木の芽    しのぶ

 

鷹鳥を祭りて風の立ちにけり   悠人