走っちゃダメなの。歩くの。よく「ウォーキングいいですか」って言うけど。ウォーキングする時点で、もう考えられない。ウォーキングをするっていう行動をしちゃうから。無意識に思考をしたり、無意識に体を動かすっていう速度で考えてる時に、思考力が一番になるわけ。
吉野敏明


引用元:筋トレをするな!ランニングも止めろ! 癌にならない 野生動物は筋トレもランニングもしない たくさん歩いてたくさんストレッチしよう! 猫も犬も歩いてストレッチをしている

 

 

 

 

 


よしりんは、筋トレやランニングといった「激しい運動」をむしろ避け、代わりに日常の中で「たくさん歩く」「こまめにストレッチする」ことこそが健康維持、ひいてはがんなどの病気予防につながると言います。自然界の動物たちのように、無理のない活動を通じて体を整える──そんな「健康の原点」に立ち返ることが重要だったのです。

 

 

1. 野生動物の生き方から考える「自然な運動観」

よしりんはまず、野生動物――猫、犬、ライオンなどは日常的に筋トレやマラソンのようなトレーニングをしていないと指摘します。走るのは獲物を追うとき、あるいは逃げるときだけ。普段は「歩き」「伸び」「ストレッチ」で体を維持している。

「野生動物で走ってるっていうのは、獲物を捕まえる時か逃げる時だけなの」

この事実から、「筋トレ」「ランニング」を健康のためと考えるのは、そもそも自然の生き物の生き方からズレているのです。

 

 2. 歩くことで得られる生理的・精神的メリット

歩くことは魚類のように「呼吸と脈拍が一致する」ような安定状態を生み出し、結果として脳の思考や感覚が研ぎ澄まされます。通勤時に歩くといった、日常の移動は「最高の思考タイム」なのです。

「歩行をすることによって前頭葉と海馬が刺激される。歩くとは、脳を育てることになる」

実際、最近の研究でも、日常的な歩行などの身体活動が認知機能の維持・改善に役立つとの報告があります。たとえば、ある調査では中強度以上の身体活動時間が多い人で、記憶や認知処理に良い変化が見られたという報告があるのです。
また、別の研究では「1日3000歩以上」の歩行で、認知症(特にアルツハイマー型認知症)の進行が抑えられる可能性が示されました。

つまり、激しい運動よりも「日常の歩行やストレッチ」の方が、心身ともに自然かつ理にかなっていたのです。

 

3. 筋トレ・ランニングの危険性と、関節・骨格への影響

動画では、筋トレやランニングが必ずしも体に良くない理由として、関節や骨、そして血流の偏りを挙げています。たとえば、激しい負荷をかける筋トレは関節や軟部組織を痛めやすく、一時的に筋肉がついても長期的には逆効果なのです。

「歩くような低負荷の持続的な運動は、関節の軟骨や骨を刺激し、密度を高める。筋トレで重い負荷をかけるのとは根本が違う」

この点は、運動療法の分野でも類似の議論があります。複合運動(有酸素運動+ストレッチなど)を取り入れたほうが、単純な筋力訓練や有酸素運動だけよりも、認知機能や身体機能の維持に効果的という報告があります。

また、無理に筋肉をつけようとして重いウェイトを扱うと、体にとっての負担が大きい。関節や心肺、血管系への過剰なストレスは、「自然な健康」からは遠ざかるというわけです。

 

4. 日常生活に「歩き」と「ストレッチ」を取り入れる方法

では実際に、私たちの生活に自然な運動をどう取り入れるべきか。よしりんは以下のような習慣をすすめています。

  • エレベーター・エスカレーターはなるべく使わず、階段を使う
  • 通勤や買い物など可能な限り歩く/遠回りする
  • 歩きながら、肩や腕、指などを伸ばすストレッチを自然に挟む
  • スマホやPCばかりではなく、体を動かす時間を「意識的に」生活に混ぜ込む


「筋トレ以外で筋肉をつけるには一番簡単なのは、エレベーターやエスカレーターを使わないこと

このように、「特別な運動時間を設ける」のではなく、「生活の中で自然に体を動かす」。それが続けやすく、ストレスも少なく、体にも優しいというわけです。

また、ストレッチも大切です。猫が伸びをするように、私たちも無意識に体を伸ばし、体の緊張や血流を整える。これが、現代人のぎこちない生活を修正する鍵なのです。

 

5. 「歩く健康」は認知症・がん・免疫にもつながる

よしりんはさらに、歩行によって分泌されるホルモン「マイオカイン」に注目しています。このホルモンには免疫を強め、がんを抑える作用などがあるというのです。走ることで出るアドレナリンとは違い、マイオカインは「穏やかな身体活動」でこそ活性化される。

マイオカインは、がんを抑える作用、免疫を強くする作用がある。走るとアドレナリンが出るけど、それではダメ」

また、骨や関節を強くするためには、日常の歩行による微細な衝撃が効果的――これは古くからある「ウォルフの法則」にも通じる考えだと説明しています。

さらに、日常的な歩行や軽い運動は、糖尿病予防、血糖値のコントロール、足のむくみの改善など、現代人が抱える多くの健康リスクに対しても有効だと語っています。

 

まとめ

今回は、「健康=激しい運動・筋トレではない」という視点から、むしろ日常の中での「歩き」と「ストレッチ」の重要性を説きました。自然界の動物たちの生き方に倣い、無理なく、着実に、体と脳を整える――このシンプルな習慣こそが、がんや認知症、生活習慣病といった現代の病に対する最良の予防法なのです。特別な時間を作る必要はなく、普段の暮らしに少しの「意識」を加えるだけで十分。まずは、エレベーターを使わず階段にする、近くなら歩いて買い物に行く──そんな小さな変化から始めてみる価値があります。