”患者さんが治る”。対象療法や薬で一生症状を消すんじゃなくって、”元に戻る”。そういう世界を自分で作ろうと思っています。

吉野敏明

引用元:耳鳴り、難聴、めまいの症状がある人は要注意?メニエール氏病について〜後編〜

 

 

 

 

 


耳鳴り、難聴、めまい──これらの症状が「メニエール病(メニエールびょう)」のサインかもしれません。今回は、よしりんが「顎(がく)」「顎関節」「ストレス」の視点からこの病気を掘り下げ、原因となりうる日常の噛みしめやストレス反応、そして東洋医学・西洋医学それぞれのアプローチを語ります。自分の身体を守るためのヒントを一緒に学びましょう。

 

 

1.東洋医学からメニエール病を見る

よしりん曰く、「ストレスが強いか弱いかではなく、木・火・土・金・水の五行で見ることが大切です」。東洋医学の視点から見た私たちのストレス源を挙げてみます。

  • 木:忍耐、我慢
  • 火:道徳意識・倫理感(=目の前で正しいことが行われていないことへの怒り)
  • 土:妬み・羨望・意地悪にさらされる側の感情
  • 金:喪失感・悲しみ・孤独
  • 水:環境適応能力・器の問題

  
このように、私たちが抱えるストレスがどれに該当するかを把握することは、身体が出しているサインを読み解くうえで非常に有効です。

たとえば、「胸がドキドキする=火の毒」「尿意が近くなる=水の毒」といったように、身体症状からストレスの質を把握できます。ストレスが「噛みしめ」「顎関節圧迫」に向かっていると、顎関節下や関節円盤などに影響を及ぼし、結果として耳鳴り・難聴・めまいなどのメニエール病類似の症状へとつながる可能性があります。

 

2. 顎(がく)・顎関節の圧迫と耳まわりの神経

メニエール病の背景には、「顎の噛みしめ」「顎関節の位置異常」「関節円盤のずれ」などの顎まわり構造と神経圧迫が深く関わっています。

具体的には、強く噛みしめることで顎の関節円盤がずれ、直接骨と骨が当たるような状態になって、「小‐作神経」「超神経」「聴覚神経」などが圧迫を受け、耳鳴り・難聴・めまい・さらには味覚異常までも生じるケースがあるのです。

「噛みしめ」「ストレス」「顎の構造」が三位一体となると、耳まわりの障害が起こりやすい」と、よしりんは言います。
また、このような構造的な負荷がある中で、「家庭内不和」「職場のストレス」「睡眠障害」などの環境的ストレスが加わると、症状の進行が促される可能性が高まると説明しています。

 

3. なぜメニエール病は治りにくいのか

よしりん曰く、「なぜこんなに治療しても“直らない”と言われているのか?それは“対象療法”ばかりで“原因除去”ができていないからです」

たとえば、メニエール病の病態に対してはステロイド剤、ATP製剤、ビタミンB製剤などが使われることがありますが、これらは症状を抑える手段=対象療法です。根本である「噛みしめ」「顎関節のずれ」「ストレス源」には触れていないため、多くの場合「全く病気が変わらなかった」とする割合が66%という統計すら存在します。

つまり、「症状が出ている部分だけ」にアプローチしていても、原因が残っていれば再発・慢性化を防げないのです。よしりんは「東洋医学×西洋医学の融合こそが、治療上の鍵です」と述べています。

 

4. 東洋医学・西洋医学の融合的アプローチ

ここからは、よしりんが提唱する「融合的アプローチ」の実践法に触れます。

まず東洋医学的には、上記「陰陽五行説」に基づきストレスの質を診断し、その人に応じた「五行」に応じた食材・漢方・生活改善を行います。例えば、火の毒であれば「利尿作用のあるお茶」で心を落ち着ける、水の毒であれば「環境適応を助ける運動や筋肉強化」など。

一方、西洋医学的には、顎関節の評価・関節円盤のずれ・顎の噛みしめの程度・耳まわりの神経圧迫状況を歯科・耳鼻科・整形外科で調査・治療します。これらを別々に行うのではなく「同時に」「お互いを補完しながら」実施することで、進行抑止・改善効果が格段に向上するのです。

よしりん曰く「西も東も別々ではダメ。二つが繋がった時に初めて“元に戻る治療”になるのです」。

そして、早期の段階なら「鍼治療だけで治ってしまう」こともあるとしながら、長年の症状であっても「進行を止める」ことは可能だと強調しています。

 

5. 日常生活でできるセルフケアと予防

最後に、よしりんから日常生活で誰でもできるセルフケアのアドバイスもあります。
 

  1. 「噛みしめ」を自覚したら、意識的に「顎を緩める」習慣をつける。
  2. ストレスの質を知るために「自分は今、何を我慢しているか/何に怒っているか/何に嫉妬しているか」と振り返る。
  3. 顎を使いすぎる/同じ姿勢で固まることが多い場合、休憩時に軽く首・肩・顎ストレッチをする。
  4. 早めに耳鳴り・めまい・難聴が出たら、一時放置せず専門医・歯科・東洋医学のどちらかに相談。


よしりんの言葉を借りると「症状が出てからでは遅いですよ。『もう大丈夫』と思わずに、自分の顎とストレスに耳を傾けてください」。

こうした日々のケアが、メニエール病のようなトラブルを未然に防ぐ大きなカギになります。

 

まとめ

耳鳴り・難聴・めまいといった症状は、メニエール病の前触れとなることもあります。よしりんは、顎関節の構造的な問題とストレスによる噛みしめ反応が複合して発症・進行するメカニズムを紹介し、「対象療法だけでは限界がある」と説いています。東洋医学と西洋医学を融合させたアプローチ、そして日常のセルフケアを通じて、未然の予防や早期改善が可能です。自分の身体に耳を傾け、「噛みしめ」「ストレス」「顎の位置」に気を配ることが、症状の長期化を防ぐ第一歩となります。