“糖新生”っていうのは本当は、“飢饉”のことです。
吉野敏明

引用元:飢餓の「餓」の字は正に我を食べる――糖新生そのもの。甘い物を食べると飢饉と同じ代謝になるので太れない

 

 

 

 


今回は、「飢餓」という漢字に込められた意味から、“自分を食べる”代謝=糖新生のメカニズムまでを紐解いています。甘い物を摂ることでなぜ“飢饉と同じ代謝状態”になり、「太れない」状況が生まれるのか。私たちの体の中で起こる代謝の裏側に光を当て、なぜ痩せても疲れやすかったり、逆に食べても太れなかったりするのかを紐解きます。

 

 

1.飢餓とは“我を食べる”という意味から

まず、“餓”という字を見たとき、「我を食べる」と書く点に注目できます。

これはまさに、身体が外部から栄養を得られない状況で、自分自身(筋肉・内臓・タンパク質)を分解して生き延びようとする代謝=糖新生が働いている状況を象徴しています。実際、飢餓時には体内グリコーゲンが枯渇し、筋タンパク質や臓器のタンパク質が分解されて糖を新生するプロセスが始まります。 

このように、飢えている=“自分を食べる”という漢字の示す通りの身体プロセスが、私たちの体内で起きているわけです。

 

2.なぜ甘い物を食べると「飢饉と同じ代謝」になるのか

糖度の高い食べ物(チョコレート、ケーキ、干し柿、かぼちゃなど)を摂ると急激に血糖値が上昇し、インスリンが大量に分泌されます。するとその後に血糖値が急降下し、体は「飢えて外部から栄養が入ってこない」と勘違いする、つまり飢饉(飢餓)と同じ状態になるのです。

この状態では、身体はグリコーゲンを使い果たした「非常時モード」に入り、自分のタンパク質・内臓を分解して糖を作り出す糖新生を活性化させてしまいます。
例えば、短期の飢餓時代謝では「筋タンパク+グリコーゲン」からの糖新生が始まることが医学的にも確認されており、外部から栄養が途絶える状況下で、体が自己分解を選択するプロセスが明記されています。

つまり、「甘い物を食べたあと血糖値が下がる」→「身体が飢饉モードと認識する」→「糖新生が動き出す」→「太れない」…という流れになっているのです。

 

3.ファスティング・糖新生のリスク

よしりんは、瘦せるために行っているファスティングや16時間断食などが、糖新生を加速させてしまい、逆に体調を崩した例を挙げています。

医学的には、飢餓・栄養不足状態では体タンパクを保つため代謝率が低下・窒素排泄が抑制される段階(長期飢餓期)があります。よしりんの見立てでは、正常体重の人が短期・極端な断食をすると、糖新生が過剰に起きてしまい、疲労・痩せすぎ・免疫低下など“飢餓状態”に近づいてしまうというのです。

 

4.どうすれば「太れる」身体状態をつくれるか

では、どうすればこのような“糖新生モード”から抜け出し、健康的に「太れる」身体をつくれるのでしょうか。ポイントを整理します。

甘い物をやめる
ケーキやチョコレートなど、血糖値を急激に上げてその後急降下させるものは、飢饉モードを促します。
 

適切な糖質(白米など)をバランス良く摂る
動画では「お米をどか食いではなく、おにぎりなどで少しずつ回数を分けて摂る」ことをすすめています。
 

急激な断食・ファスティングを慎重にする
特に痩せている・体重が増えない人は、断食による糖新生活性化リスクを抱えるため、専門家の指導下で行うべきです。

 

タンパク質・脂質・炭水化物を3大栄養素として、筋肉や臓器の材料を常に供給する
“我を食べる”代謝/糖新生を避けるためには、タンパク質が壊されないように栄養を安定して供給することが鍵です。

 

5.実践にあたっての注意点とよしりん式アドバイス

  • まず、自分の体が「太れない」「常に疲れている」「体重が増えない」と感じるなら、甘い物の摂取・断食による代謝変化を疑うこと。
  • 食事療法や栄養改善は「1年間待つ」が基本。焦らず、継続することが体質を変える鍵。
  • 体重を減らす目的ならともかく、健康的に太る・体質を変える目的なら「糖新生を過剰に起こさない食事法」「安定した栄養供給」「極端な断食の回避」がコツ。
  • そして何より「愛をもって自分をケアする」「自分を食べない=自分を守る」という意識を持つことが大切。


このように、よしりんの考え方は、単なるダイエット論ではなく、代謝・栄養・精神性を包括した“からだを整える”視点に立っています。

 

まとめ

今回の動画で、「餓」という字が持つ意味、そして“飢える=我を食べる”という身体の代謝反応=糖新生の構図が学べました。甘い物を摂ることで急激な血糖変動が起き、「飢饉」と同じように、自分を食べ始める代謝状態になる可能性を知ることは、健康的に体を変える手掛かりになります。太れない・疲れやすい・断食しても変化が出ないと感じるなら、まずはこの代謝の視点から「自分を守る」食生活を考えてみてはいかがでしょうか。