自分の命よりも他人の命の方が、場合によっては大事で、そしてこの命の連続である魂というものの方がもっと大事なんだっていう考え方。これですよ。これが日本人の誠意なんですよ。
吉野敏明
引用元:日本人の究極の哲学とは 誠意と真実と敬いの大切な意味【心の健康のお話】
「誠意・真実・敬い、日本の病を治す!」吉野敏明の政経医チャンネル、動画冒頭のフレーズです。よしりんは、西洋哲学や中国思想を広く学んだうえで、日本人の精神文化の核心が「魂の連続性」と「他者を思いやる誠の心」にあると説きます。そんな、よしりんは過去に医療法人を乗っ取られた経験がありますが、それでも逃げず・ぶれず・言い訳をせずに再起しました。「日本人の心の強さ」と「誠意を実践する生き方」を自ら体現してきたのです。今回は、この「誠意・真実・敬い」について解説します。
1.日本哲学の根源にあるもの
よしりんはまず、西洋哲学と日本哲学の違いから話を始めます。西洋哲学は個人主義を基礎にし、「私は何者か」を問う学問です。一方、日本人は「言われなくても約束を守り、嘘をつかず、先祖を敬う」民族です。そこにあるのは「個の証明」ではなく、「魂の連続性」への信仰です。人間は祖先から受け継いだ魂の流れの中で生きており、動植物や自然界までも一体と捉える。この世界観こそ、日本人の哲学の基盤なのです。
こうした考えがあるからこそ、日本には奴隷制度が存在しなかったと述べます。「自分より他人を思いやる」姿勢は、魂のつながりを重んじる文化から生まれたもの。西洋の「神による救済」ではなく、「ご先祖様の教えと行い」が人を導くという考えが、日本人の道徳観を育ててきたのです。
2.「誠意」とは何か
誠意とは、「全くの赤の他人に対して、全身全霊を傾け、見返りを求めずに接すること」だと吉野氏は定義します。
例として、川に流された子どもを助けようとして命を落とした人々を挙げます。自らの命を顧みずに行動するその心こそ、「誠意」の象徴だといいます。また、真夏の街頭演説での出来事。熱中症で倒れた人に、通りすがりの日本人が次々に手を差し伸べました。そこに損得勘定はありません。日本人は本能的に「他人のために全力を尽くす」民族であり、それは魂の文化の表れなのです。
よしりんは、「戦争を肯定しない」と前置きしながらも、特攻隊の精神にも誠意の本質を見出します。彼らは見返りを求めず、「自分の行いが未来の人々の命を守る」と信じて行動した。その精神の背景にあるのは、「他者を思いやる誠意」でした。誠意とは、愛の実践そのものだといえるでしょう。
3.「真実」とは何か
真実とは、単に「嘘をつかない」ことではありません。自分の弱さや恐れに負けず、「何が真実であるかを見極める強い心と魂」を持つことです。
政治家や芸能人の「やっていません」という言葉の裏には欺瞞がありますが、よしりんは、「真実とは、自分の内側の弱さに勝つこと」だと強調します。
真実の心を持つ者は、他人に正直である前に、自分に正直である必要があります。どんなに辛くても、自分を偽らない。それが「誠意を持つ生き方」に通じるといいます。日本人は古来より、真実を言葉で飾ることなく、行動で示してきました。沈黙の中にこそ真実が宿る――それが、日本的真実の美学と言えるでしょう。
4.「敬い」とは何か
敬いとは、「自分に関わるすべての人や事象を尊び、感謝の心をもって受け止めること」。
よしりんは、戦国武将・山中鹿之介の「七難八苦を我に与えたまえ」という言葉を引用し、敬いの精神を語ります。困難や試練は、魂の成長のために天が与えたもの。だからこそ、悪意を持つ人や苦しみそのものにも敬意を払う。これは「悪を敬う」という逆説的な思想でもあります。
天が自分を愛しているからこそ、試練を与えてくれる。だから「叱られたら得したと思え」「甘やかされたら損したと思え」という心構えが大切だといいます。敬いとは、復讐や嫉妬、怒りを手放し、心の強さを磨く修行でもあるのです。
5.逃げない・ぶれない・言い訳をしない
よしりんは、自身が医療法人を失った経験を通して、「誠意・真実・敬い」を実践する生き方を示します。
理不尽な出来事に直面しても、逃げず、ぶれず、言い訳をしない。それこそが日本人の強さだと語ります。この理念を貫くことで、わずか一年で病院を再建し、以前より良い医療環境を作り出したのです。その過程で、「試練は魂の成長のためにある」と再確認しました。
誠意と真実と敬いを実践することは、単なる道徳ではなく、「生き方の哲学」です。日本人が持つ誇りや優しさ、忍耐力の根底には、この三つの徳が流れています。
まとめ
誠意とは他人のために尽くすこと。
真実とは自分の弱さに打ち勝つこと。
敬いとは試練を感謝で受け止めること。
そして、それらを貫くには「逃げない・ぶれない・言い訳をしない」覚悟が必要です。
日本人の哲学とは、一神教や理論ではなく、「行動によって魂を磨く」生き方そのものなのです。これは現代人が失いかけている心の健康を取り戻すカギとなるでしょう。