「水穂国」というのは、「稲が青々としていて、とても美しい」という意味ですよ。それが日本という意味なんだから、米を食うのが日本人の定義なんですよ。
吉野敏明
引用元:4毒を抜いて初めて分かる、我々日本人が コメを食べる意義と重要性 日本の美称がなぜ「水穂国」なのか?
今回の動画では、日本人と米の深い結びつきが歴史的・精神的・文化的視点から語られます。日本は古くから「水穂国」と呼ばれ、実り豊かな稲の穂こそ国の象徴でした。現代では多様な食文化が広がりましたが、米を食べることの意味を改めて見つめ直すことで、人間の健康だけでなく、日本人としての感性や精神性、そして先祖とのつながりまでが浮かび上がってきます。本稿ではその核心を、よしりんの言葉を交えながら整理します。
1. 日本が「水穂国」と呼ばれた理由
よしりんは冒頭で、日本という国の美称「水穂国(みずほのくに)」に注目します。豊かに実る稲穂が国名の由来になっている国は世界でも珍しく、それほど日本人にとって稲作が生活と信仰の中心にあったことを示します。
日本の稲作は弥生時代以降だけでなく、縄文時代にも小規模な段階から始まっていたとされ、長い年月をかけて発展してきました。田んぼは単なる農地ではなく、「水を引き、整え、守る」という共同作業を通じて村落の絆を育てる場でした。灌漑施設(かんがいしせつ)や用水路を整えるためには、村全体の協力が欠かせず、その積み重ねが日本人の協調性や規律性の原型になったと言えます。
よしりん曰く、
「日本人が日本人である理由のひとつは、稲を育ててきた歴史そのものなんです」
2. 先祖から受け継がれた「米中心の身体」と日本人の体質
次に、よしりん氏が強調するのは、“日本人の身体そのものが、米を主食とするように最適化されてきた”というものです。
数千年にわたり米を食べ続けてきた民族では、消化酵素の働きや腸内細菌の構成も米食に適応していくと考えられます。現代のようにパン・乳製品・油脂食品が急増したのは、わずか数十年の話であり、身体の進化が追いついていないのです。
また、日本人は季節の移ろいとともに「旬」を食べる習慣も持ってきました。米もまた、季節とともに自然の力をいただく食べ物であり、自然と人間が循環の中で生きてきた文化そのものといえます。
よしりん曰く、
「米はご先祖の身体をつくってきた食べ物で、その延長線上に僕たちがいます」
3. 米を食べることが日本人の「精神の安定」につながる理由
米食が日本人の精神面にも大きく関わっているという点にも注目したいです。
米中心の生活は、カロリーや栄養価の問題だけではありません。米を食べる生活リズムは、気持ちを穏やかにし、安定をもたらす生活文化を支えるのです。
・腹持ちが良く、血糖値が安定しやすい
・過剰な刺激が少ないため、感情がぶれにくくなる
・規則正しい食習慣につながる
・古来より行事や祭礼の中心に「米」が存在してきた
このような点から、米は単なる栄養源ではなく「心を整える食べ物」でもあります。
よしりん曰く、
「ご飯を食べていると、人間は温厚になるんです」
これは単なる比喩ではなく、農耕文化の中で育まれた“緩やかで安定した精神性”を指しています。米がもたらす落ち着きは、日本人の気質形成にも関わっているというわけです。
4. 米作りは“未来への投資”──災害大国・日本で米が果たす役割
現代の日本では、加工食品やパン・麺類が簡便さから広く普及しています。しかし、よしりんは安全保障の観点から「米は日本において最強の備えである」と語ります。
理由は3つあります。
① 水と米があれば生きられる
米は少量でも栄養価が高く、保存性も良く、非常時のエネルギー源として優れています。災害が多い日本において「米を常備する」ことは、生命線とも言えるほど重要です。
② 田んぼは“治水装置”でもある
田んぼが広がる地域ほど、洪水や土砂災害のリスクが下がります。田んぼは水を蓄え、ゆっくり流し、土地を守る天然のダムだからです。
つまり米作りは、農業でありながら国土保全事業でもあるということです。
③ コミュニティのつながりが維持される
田植え・水管理・稲刈りという循環の中で、人々は協力し合い、地域のつながりが生まれます。この“協力の文化”が、社会全体の安定にも寄与します。
よしりん曰く、
「米は食べ物である前に、国を守る仕組みそのものなんです」
まとめ
「米の重要性」は、健康面だけにとどまりません。日本が「水穂国」と呼ばれた歴史、稲作によって育まれた協調性や精神性、そして米がもつ生活文化・治水・食の安全保障の役割──それらすべてが、日本人のアイデンティティの根に存在します。米食を見直すことは、単なる食生活の改善ではなく、日本人としての感性や安定をもう一度取り戻す行為だったのです。