女子の武士道
明治二十二年に生まれた著者の祖母は、
厳格な武家の娘としての躾を受けました。
著者は明治大正昭和の時代を
たくましく生きた祖母と十二歳までともに暮らしましたが、
後年、祖母の生き方、その言葉を思い出すにつけ、
戦後日本人の女性が忘れてしまった
「人としての心得」
「女性としてのあり方」
が散りばめられていることを知ります。
それこそが武家の女性の矜持そのもの、
つまり“女子の武士道”だったと気づいたのでした。
本書は55の祖母の言葉を挙げながら、
女性とは、妻とは、夫婦とはどうあるべきかを語っていきます。
「夫を穢すことはおのれを穢すことですよ」
「子供には目に見えぬものを与えなされ」
「ときには夫に妻たる者の覚悟を見せてやりなされ」
「父の存在を絶えず感じさせる母でおらねばならぬ」
「人の上に立つ以上は寛大に、そして自ら隙をつくりなされ」
「女子の」とタイトルにありますが、
凛とした女性がいてこそ立派な男、家庭、
そして社会があることを納得していただけることでしょう。
さらに言えば、女性から見て
男子はこうあるべきだと暗に諭される、
男子にもまた必読の一冊です。
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